帰りたく無い
喉迄出掛かった言葉を、音にする前に必死で呑み込んだ。言って、言われて、嬉しがる程馬鹿な子供じゃ無いから。俺には俺の、キミにはキミの、歩むべき道が在る。決して曲げられ無い生きる為に遣るべき事。
仕事、ですよねー。
呼吸するだけでもお金が掛かる此の時代、稼がなきゃキミに逢いに行く事も出来無い。世知辛い世の中。
キミの体温を感じて眠れた日々が愛しいよ。又明日から仕事仕事の現実。溜息が出ちゃうね。
「メイク薄いと見れた顔じゃ無いけどさ、時間無いし面倒臭いから今日のメイク手抜きで良いかなァ?」
「御前の顔なンざ誰も見てねェよ。さっさと顔造れ」
「………」
今日も今日とて俺達は仲良しサンです。