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アポロジスタ
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7 :手塚国光
2009/10/03 16:30
目覚ましは、彼からの言葉の余韻。


目が覚めると時計はもう半周を回っていて太陽は高度を東へと傾け橙色を帯びてカーテンから細い光を射していた。おやつの時間だね、と先日彼が笑っていたのを思い出す。あの時は確か昼食を作る時間が遅れてしまった時だったと思うのだが今日は起床時刻。俺の一日の始まりの時間となった。…眠り過ぎた。
彼はその原因が深夜まで連日続く自分との時間のせいだと思っているようだが、責めるようなことではない。睡魔が訪れるまでの時間を俺が彼を求めて過ごしているだけなのだから。…寧ろ、俺に合わせて眠りに身を任せている彼への負担の方がよっぽど大きいのではと不安になる。出来る限り俺と一緒に居たいと求めてくれるのは嬉しいこと何物でもないのだが、やはり自分の身体を優先してほしい。何度か口にしているがそれでも彼は俺と共に居ることを願う、そんなところが堪らなく愛おしいから強く引き離すことが出来ない。紛れもなく俺も彼と共に居たいのだ。…惚れた弱みと、言うやつなのだろうか。


俺が目覚める少し前に、彼から届いていたメール。買い出しに向かっているその間は返事が返せないからと俺に心配を掛けぬよう書き置きを残してくれたのだ。そんな優しさにまた心を奪われる。起きたその瞬間に彼が愛おしいと実感。
―――なんて幸せな目覚めだろう。
一先ず彼への返事を打ちながら漸くベッドから抜け出す。眠り過ぎたせいで頭痛に襲われるが薬を服用すれば何の問題もない。冷蔵庫を開いたが口にするものが少ないことが判明、どうやら俺も買い出しに向かう必要があるようだ。

これから近くのスーパーへ。彼が先に自宅へ戻るか、それとも。
ともあれ、帰って来たら彼の唇を奪ってやろうと思う。と、密かな企みを胸に秘め。



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