雪が降った日の夜、あいつの手を取って散歩した。新しい雪に足跡をつけたがる。雪だるまを作りたがる。雪玉を俺にぶつけたがる。はしゃぐあいつが愛おしくてな。歩いとる間ずっと手を握っとった。寒いのは好かんが、その時は寒いだけじゃなかったんよ。そんな雪の日のひとときの話。