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43 :
財前光
2020/12/23 15:31
#思いっ切り背後にて注意
今日は兄貴の命日や。
亡くなって6年目、か。
今もしんどくて辛くなる。
アンタが生きとってくれたら、て。
せやけど病魔には勝てへんよな、分かっとる。
何で兄貴が癌になったんやろ。
俺が、この俺がなれば良かったんに。
兄貴が苦しむ姿、今でも忘れられへん。
薬で意識なんてまともにあらへんはずなんに
「痛い、痛いよ」て言い続ける姿。
でもアンタが死ぬ前日の夜は、もっと鮮明に覚えとる。
家族皆集まった時、よお喋ってくれたな。
目見えてへんはずなんにスマホ見たい、とか
書きたいことあるから紙とペンちょうだい、て
よお分からん字書いてたやんな。
記念に写真撮ろう、て言うたらピースしてくれた。
あの夜は奇跡やったんやないかと思う。
ほんの少しの時間やったけど、幸せやった。
でも次の日アンタは俺の帰りも待たずに死んでしもた。
6年前のこの日、母親の言う「いつもより呼吸が浅い…」
その言葉を軽く受け止めた俺への罰やと思った。
大丈夫や、なんて思って仕事に行ってしもた俺への罰。
職場に連絡が来て「お兄さん亡くなったって」っちゅう
重たい重たい言葉。涙が溢れて止まらんかった。
迎えに来てもろて家に帰ったら、もう冷たかった。
ああ、こんなに冷たなるんやって。もういないんやって。
でもな、俺今でもアンタが死んだって信じてへんねん。
いつもみたいに地元離れてどっかフラフラしとるんやろ？
そしてまたいつもみたいに上手く行かんかったて帰ってくる。
俺はそうやて信じとる。待っとるから早よ帰ってきて。
大切で大事な兄貴、俺は信じとるから。
>今日は俺らにとってのクリスマス。
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