日記一覧
┗展開のいろは(1-10/26)

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10 :柳蓮二
2010/11/20 07:59
2010/08/01 23:57

十五回目の誕生日も過ぎる。誰の決まった用が有るわけでもなく、夏には何かと色恋沙汰が起こりがちであるのは、茹だるような熱気のせいか。
夜の石庭を前に進まぬ本を縁に置いたところで、受信を知らせに携帯電話のランプが、久しく見ずにいた名を点滅させた。
話の先に気を取られて薄ぼんやりとした意識のままにメールの中身を理解した頃には込み上げたものを堰き止める事も敵わなかった。終わったものを蒸し返す趣味はどうやらあれの専売特許ではないらしい。決意に無いのがこうも脆いとは。
かの口から出る言葉は間に合わせかと勘繰りながらも、動揺を隠し切れぬ内に返事をした。してしまった。

間に合わせには違いない。真意を測れず何が参謀だ。知っていながら、応えられずに何がデータだ。
忘れることも出来ない、以前の二の舞になるのかもしれぬ。なろうとしている。

もう出番のない筈だった呼び名はすっかり感覚が鈍ってしまっていて、思うように動いてはくれないようだ。再び束の間でも相手をしてくれようと言うのだから出来る限り楽しませんとはするのだが。昔の俺はどんなだったかな。
ああ、俺の欲にももう幾許か慎み深くなっていただきたいものだ。喉から手が出るというのでは未だ温い、渇望の空白を埋めんやと。
望みは薄いな。



貞治のようなものについて。
身長の目測を誤っていたようだ。自分の目線が思ったより高かった。百七十も後半かと思っていたが、ぴたり八十四あるらしい。
四角の黒縁眼鏡ばかり幾つも所持していた。
服はシンプルで地味な海外ブランドを適当に。
鞄の中身はある程度整理されているが、手拭いやポロシャツ等布類がなぜか物凄くぐしゃぐしゃ。
小煩い。
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9 :柳蓮二
2010/07/17 02:19
うたた寝にうたた寝が次いで、眠れないとも言い難い。
流行りの風邪を見事に貰い、揺らぐ環境と相俟って、見事な不安定の完成といえる。

夜中にひとり水羊羹の缶詰を開ける。
情緒に浸るわけもなく、唯只このおかしな浮遊感を踏み締めている。
味もわからぬ、かもしれぬ。
井*村*屋。


貞治のようなものに会った。
+ダル選手が待ち受け画面である。
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8 :柳蓮二
2010/04/01 16:23
四月。桜の舞い始める一日の何と不実で愛らしい事よ。

小さなころはよく、近所の土手へ草を摘みに行った。
俺が籠いっぱいに雑草を持ち帰ると、祖母が頭を撫でて褒めてくれた。渋い顔をする母を笑い、台所に立って、フキノトウを天ぷらに、つくしを卵とじに、菜の花をお浸しにしてくれ、そのまま夕飯に並ぶのが子供心に嬉しい。台所の椅子に立って、饅頭に入れるヨモギをすり鉢ですり潰すのは俺の役だった。
ツクシだけは苦くて食べられないくせに、なぜか一番格好良く春めかしく見えて大量に摘んで帰っていたよ。馬鹿だなあ。

フキノトウはめっきり見かけなくなってしまったが、つくしんぼうは生えているのではないだろうか。たんぽぽが咲いているのを、つい一昨日に見たところだ。
桜を見上げると心が浮く。浮いては足元を見失いがちで、だからお前はふらふらといつまでも頭に花を咲かせていないでもう少し地に足をつけて考えて動けと口がすっぱくなるほどいつもいつもいつも言っているのにどうして俺の家まで来るのに電車を間違えて小田原まで行ってしまうんだ大馬鹿者そのササカマ二本目だろうが迎えに来させておきながらいい御身分だな貞治
と春休みに声を荒げて叱る羽目になってしまった俺も少し浮かれてみるべきか。一本寄越せ馬鹿者。


取り返せない木蓮を見上げて、新年度に思いを馳せてみる時間も良しとする。
ここで誰かに声を掛けてみようか、実はササカマではなくてその棒が一本欲しいとか、思うばかりで何もせず。
さりとて、一度も上げずに詰まらぬ日記など書いて、誰が読んでいるともないだろうよ。
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7 :柳蓮二
2010/01/30 11:21
なんと、バトン。が、こんなところまで回ってきた。

Ennui. の、千歳から。丁寧にありがとう。


>ラブライフスタイルバトン
>作成:きかせてほしがり芥川

>オメーのラブに対する姿勢をしりてーんだー
>ココでいうラブは恋愛にかぎんねーから気楽にこたえてくんろー!
>っでもでも!こたえらんねー!ッてのは華麗にスルーしてくり!んで、ケッコー長いからテキトーにとばしてね!
>固有名詞には検索避シクヨロ!!


>▼ハイ!!15字以上30字以内で自己紹介ドン!!
立海大附属中学三年、柳蓮二。テニス部。

>▼スキなヤツ(恋人でもダチでもオッケー!)の他己紹介ドドン!!あ、30字オーバーしてもEよ!
これは……個人のラブに対する姿勢、と掲げておきながら、個人から特定の誰か一人にのみの姿勢を問う内容なのだな。生憎そのような恋人や友人はいない。ああ、立海のチームメイトは皆愛している。

>▼オメーはスキなヤツには指定着信音とか設定しちゃうほう?
アドレス帳全員初期設定だ。

>▼設定してる場合は曲名とか教えてくんね?でさでさー、それって相手のイメージソング?オメーのスキな曲?あわせて教えてほC!!
仕方がないから貞治にしておこう。強いて設定するならカードゲームで遊んでいるときのお前の声で「フハハハハハ!」という高笑いをあててやらん事もない。

>▼記念日あるー?ソレってなんの日?
特にない。このデータだめねと君が言ったから全国大会決勝はフルボッコ記念日

>▼スキなヤツとはシュミあう?あわない場合、あわせちまったりする?
昔からよく将棋や碁のボードゲームなどして遊んだな。貞治はすぐ顔に出るから対面でやったら俺が勝つ。オンラインで対戦すると五分。

>▼スキなヤツのコトなんて呼んでる?なんて呼ばれてる?
貞治。向こうは蓮二。……スキなヤツ、などではない。
小学生時代は博士と教授だった。当時のクラスメイトが知らぬ間に呼び始めたのだが、教授=休み時間に本ばかり読んでいる+成績がいい、博士=眼鏡、だった。黒歴史だと思ってる。

>▼オメーだけの特別な呼び方、呼ばれ方…したかったりする?
関東大会で教授と呼ばれた時は腰から背中にかけてゾワッとした。
好意からの独占欲などで呼び名をどうこうする趣味は一切ないが、俺の知る限り、貞治を名前で呼ぶのは俺くらいだろう。

>▼オメーは、スキなヤツに何されたらムカッときちまう?
あいつけっこういらいらする

>▼逆にオメーのスキなヤツは、オメーに何されたら怒る?
貞治は自分が怒ったら俺が恐ろしく冷たくなるということを学習しているのであまり怒らない。
第二科学実験室で昼休みに試験管を爆発させ、貞治の名前を書いたノートを忘れてきたと言って取りに戻らせて俺だけ逃げたときなどは、校長室に迎えに行ってやるまで泣いていた。よく泣く。

>▼おたがいのするコト以外でアイテが何に怒りを感じるか把握してる?把握されてる?
フ、立海の参謀をなめるなよ。

>▼泣かせちったコトある?
よく泣く。

>▼ヤキモチやくとしたらどんなトキ?
後輩がちょろちょろとくっついている。

>▼ケンカしたコトある?
一日経ったら貞治がけろりと忘れていたので、こいつとは喧嘩をする意味がないと思って小学二年以来していない。

>▼メールってさー、すぐレスこなきゃイヤなタイプと、まったりレスなタイプにわかれるよね。オメーとアイテはどう?
まちまち。

>▼どんくらいほっとかれたらサめる?それともサめない?
四年と二か月と十五日。

>▼スキなヤツにだけ許してるトクベツを1ツおしえてくんね?
無い。

>▼アイテのバースデーは祝う?でもって、本体サンのバースデーも祝ったりする?
本体は眼鏡で相違ないか。

>▼スキになるとアイテの本体サンのコトも気になってきちまうタイプ?
うちの赤也が本体を割ってすまなかったな。

>▼スキなヤツの本体サンに『あおうぜ!!』って誘われたらあえる?
叩き割ってやる。

>▼そんじゃさいごにッ!!気になるアイツにバトンターッチッ!!
以上。
Ennui.をイヌイと読み違えてしまった故の回答だったが、取り返しがつかなくなったようだ。実にアンニュイな心持になった。
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6 :柳蓮二
2010/01/28 21:59
橋ものがたりを読み進める。
彼の作品に関して、その情景描写の精緻さ、精緻というよりも精巧であると表現するほうが近そうではあるが、無駄のない背景と直喩のみで構成される人物像。の、核に必ずテーマに沿った隠喩がある。
弦一郎は読んだことがないと言うから持って行ってやろう。あの時代遅れのような古めかしい四角の頭が近代の文体に慣れるための時代小説だ。(否、作品に失礼か。)
いっそバレンタインデーキスなど気色悪い真顔で歌っておらずにバレンタインデーに笑顔の一つでも見せて礼を言う練習でもしたらいいのに。そして俺が代わりにCDアルバムを出してやろう。

……しかし、向こう岸で待つ者にすら声を掛ける事が出来ぬ俺に如何して他に目を配る隙があろうか。橋を渡しに行けぬことをどうか許せと心のうちに抱いて、それを良しとするお前ではないだろうよ。


棚ができたからと調子に乗って作った日記帳も見付けられてしまったことだ、
次の伏線でも張りに、橋向こうへ引っ越しの準備をしに行こうかな。というと抗議の声を上げるか?
これが好意ではなくて何をそう呼ぶのだ。

フ、
愚かなり。
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5 :柳蓮二
2009/12/14 23:51
本日の交流試合、いつまでも開始されなかった先の一時間は一体どうなることかと思ったが、最終的にはある程度楽しめた。対戦相手には申し分なく、環境が少々良くなかったな。
ミスなく進んだのは成長。ただ、相手を侮りすぎだ。開始時点で落ち気味だったテンションが原因だな。先を読み気持を高く持てばもっと良い成績で勝利できたはず。
良い先輩を持った。
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4 :柳蓮二
2009/12/13 23:32
Diary1から3全ての日記棚で俺の書くこのタイトルが一件以上ヒットするようになった今日何より先に礼と詫びを申し上げる。

男の(いや、平成も二十年も過ぎた昨今男だ女だと言うのも柔軟性がないように思うが、一応)俺があまりぺらぺらと口を開くのも褒められたものではないとはいえ、こういった不特定複数以上に影響する場の存在は良い思考の整理の場所になる。コントロールと作用の分析そして洞察こそが本領といえる、データといえばパターン統計と数字ばかりを当てにしている貞治では及ばぬ。
……まずは俺よりなぜ貞治のほうが女子人気を集めるかの謎を解き明かさねばなるまいよ。顔か?
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3 :柳蓮二
2009/12/12 21:07
本当に十二月か。

中旬だぞ。暖か過ぎる。
何処ぞの畑で蕎麦を植えたつもりが向日葵が咲いてしまったとニュース記事を読んだが、これでは向日葵も咲くだろうよ。
まあ、十二月に咲き誇る一面の向日葵畑というのもまた一興。

昨年だったか、細かな茶色の葉がたくさんついた(あれは一応常緑樹の内に入ると思う)低木の上に、雪がちらちらと積もっている様に非常に感銘を受けたものだった。
今年の内は雪すら降りそうにない。この冬いつかはあんな雪の花にお目に掛かることがあるだろうか。
二月、……二月、か。
不明確な先を案じるのも良くないが、幸福が予測される事実は幸せなことだ。
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2 :柳蓮二
2009/12/12 00:24
雨が降り、寒いだろうと厚着をして出掛けた夜に限って暖かなのは何故だ。
自動販売機がやけにつめた~い目線を送ってきていたのが最近になってようやく改善、いや改暖されてきたというのに、全く地球はいつまでも俺に加虐的だな。ああこの時間に強烈に空腹を覚えるのも含めて。実に加虐的だ。食べても無視して寝ても体に悪そうではないか。事実どうなのかは知らないが。比較的安牌そうな雰囲気のある林檎のひとつでも剥いてみようか。ぐう。腹は返事をしなくとも良い。



羊羹まで手を伸ばしてしまった。深夜の甘味はかくも魅力的かな。
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1 :柳蓮二
2009/12/10 22:48
では、出来立てをひとつお借りする。

目立つ場所ではあるが問題ないだろう。隠し事は堂々としてこそ。
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