日記一覧
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Libertas.
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15 :
仁王雅治
2010/06/11 02:11
・薄明かり、雪洞・
川沿いに吊された雪洞(ぼんぼり)は淡い橙色をぼンやり放って、夜桜みたいやった。
一足早い夏祭り。
首周りに纏わり付く熱気を襟口をはためかせる事で遣り過ごし、行き交う男女の笑顔を視界の端に流した。
誘われる儘に金魚掬いの露店にしゃがんで、小さな椀を手にする。
緩やかな風に波立つ水面は、安っぽい裸電球の光を受けて、きらきらと、踊る。
水中を舞う、紅と黒。
まるで。
今日が今日やねェみてェやった。
幾度目かの挑戦で、あっさりと破れちまった、円い薄紙。枠に爛れた様に張り付く様は、何じゃ他人事には…視えんかったきに。
:嗚呼、空いた穴から視える其の後ろ姿は、御前サン、かの…――
画像(jpg) 39.8KB
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