・a child、・世の中には、質の良い“甘え”と、然うで無え“甘え”が存在すると思う。
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彼奴は、甘え上手だ。
そして彼奴の俺に対する甘えは、前者なのだと思う。
『跡部ー。腹痛えぇええ、何とかしてー』
小さい赤子みてえに。潤んだ瞳を揺らしながら全身で甘えて来る。
だが、彼奴の其れは決して我が儘でも押し付けでも理不尽でも無え。
彼奴は何時だって自分、つうモンを分かって居て、自分に与えられた立ち位置で常に最大限の事をやってのける。部から厚く信頼されて居るのは其の所為なんだろうよ。
一見して子供っぽい御前だが、間違っても餓鬼じゃあ無え。
等身大の自分を確り保てる御前は、或る意味俺の理想で在り、尊敬対象だ。
絶対え、口に出しては言わねえけどな。