一日遅れの、ハッピー・バースデイ！



アンタの幸せを願って。

今迄、御世話に、為りました。



何回も足抜くっちゅうた此ン世界、理由は大概飽きた、か逃げた、か。性懲りも無く戻っては消える、繰り返し。

其ないな俺にも、平等にオワリは来るらしい。神様に感謝、ハハ。似合わん。



もう戻って来る事も無いやろう、囲われた世界。
八年居座った中で世話ン為ったヒトらに礼の一つも言えン儘やけどまァ、逞しいヒトらや。今でも楽しく生きてはるンやろな。
二度と逢う事も無いし、万が一俺に似た様なヒトが居っても俺や無いンで安心為て下さい。揉め事が起こっても、俺は一切関与為てマセン。正直言うたら面倒な世界やった、文字でしか繋がってへん分、屹度表現の下手な俺には合うてへんかったンやと。俺が傷付けたヒトも、俺を傷付けたヒトも、綺麗サッパリ忘れて下さい。御互い様、良ェ言葉。



此の残り香は、最後迄俺に愛想尽かさず親友やって言うて呉れた跡部サンに移して、行きます。
生かすも殺すもアンタ次第、ちゅう事で。





ほな、皆様、御元気で。

近々、撤退為ます、わ。
急に消えたら叱られそうな気ィ為るンで、一応予告。



理由はまァ、後ろン事なんでスッ飛ばします。半強制的にシャットダウン、黒い画面に歪な笑顔。俺に似合いの、唐突な終焉。





御休み、優しい夢を見せて呉れたVirtual world.

両手足首縛られて、真っ黒な水ン中に放り込まれる。呼吸も視界も奪われた世界、頼るンは後頭部を緩やかに明確な意思を持って押さえ付ける、掌。肺が限界を訴え始める迄の数十秒、云うたら生殺しな状態が、続き続ける今に失笑為た。勘弁為ェや。


案外タフらしい此の心臓には、極太の毛ェでも密生為とるンやろか。100％キモい。まァ生きとる間に自分で自分の生心臓を目に為る事は無いやろ、Let's！ポジティブ☆シンキン！――…、俺かて冗談位言いますンで。補足。





答えは予想以上に早く出そう、スわ。時期が悪かった。

彼奴の戻る場所が、奪われてく。

量産為れた黒いドアの向こう、チープな其奴でも一応は、障壁の役割を果たしてるらしい。蹴破って遣ろうか、とも考えたが、時計は疾うに零のゾロ目を超えとったけェ自重、御近所サマは大切に。俺が住ンどる訳じゃ無ェとは云えども。

生存確認は終了、後は如何に為て引き摺り出すかと此ンな時にしか役立たン悪知恵を総動員為る、此の鼓膜に震えた声が、突き刺さる。





>「　あいたくないの　」





思い詰めた、彼奴の声。





何が其処迄、御前を苦しめた？

空を覆い尽くす、feather…――





帰って来ンしゃい。
此の両腕は、
舞い遊ぶ鳥の、止まり木と為ろう。



帰って、オイデ。

>「月が、綺麗ですね」
　　　　　　　　　　　　　―――S.N


>「わたし、死んでもいいわ」
　　　　　　　　　　　　　―――S.F





（Nicotine×Alcohol×XTCを
　24時間365日摂取し続けた処で、
　御前の中毒性には到底敵わ無ェの、

　――御解り？）





故人の名言に列べるンは気が引けるが、原文を避けたバトン故の御見逃し、を。

無茶なモンを投げて寄越した、何処ぞのオニイサマへ。

耳の奥で、金属が擦れる、オト。

今日の終わりが赦せねェ。
捏ねた駄々を、叩いて延ばす。


Sir.デスティニ、
オメェの瞳は裏返ってンよ。
真っ直ぐ、そう、真っ直ぐ前。



立てた中指が視えンだろ？

信頼とか友情とか愛情とかクソクラエ・です。
変わらねェモノは無いのです。

ほら見ろよ、あンな強ェ恐竜だって滅んだンだ。人類なンて弱くてちっぽけなイキモノの、カタチも証拠も何も無いカンジョウってヤツが、永遠って最高峰に辿り着けるワケが無いのです。



なァ神様、居るンだろ。
エゴって原動力で生き生きと動き出すこのイキモノは、何時になったら滅びて呉れるンデスカ。
日にちだけ教えといて呉れよ、マイゴッド。そしたら一番高ェ場所に登って、人類の終わりを静かに静かに黙り込ンで、看取るから。



そンで一番最後に、
独りで泣き叫びながら死ぬンだ。