_________________ アイツの大切な奴は何も跡形無く消えちまったし、アイツ自身はもう何処にも居ない奴を待っている。 アイツが奴と育んだものは全部全部消えちまったけど、それでもアイツは奴と過ごした時間を忘れてない。 もう何処を見ても奴が居た証拠なんか残ってねえのに。 アイツは奴に今も想われてるし、アイツも奴を想ってる。 待つと言う事は現在を生きると言う事で、けど奴は過去も未来も無い所に居る、…否、居ないのか。 俺は始め悲しい終わり方をしたと思った。 でも終わりじゃないんだろうって気付いた。 そして気付いたらそれは寧ろとても理想的なもんなんじゃねえかって、そんな考えに至って、涙が溢れた。 アイツは奴に本当に愛されてんだぜ。 もうアイツは自慢する事が出来ねえから、俺が代わりに自慢しとく。 ________________/ |