
苛立ち(背後噺)
何処まで腐っとンのや。一回頭カチ割って遣りたい思っとる俺は正常な筈…──何処の常人が真夜中や言うンに鋤焼きの牛肉無いからて母親に買いに行かせて喚いとるんや、鬱陶しィて仕方無い。
時折同じ空気吸う事さえ嫌になる、自分が何したン?確かに俺は未だ餓鬼や何も出来ん……思うが儘動かん躯を幾度恨めしいて思ったか解らん。もう一度人生生まれ変われる事が出来るン遣ったら生まれン事を唯只管願う。彼奴の血が通う汚れた俺が生まれんかったら好かった何て…そないな事考えとる時点で餓鬼やわな。
嗚呼、早よ夜に成らんやろか…彼奴が居らん空間が今は堪らなく待ち遠しい。