
一つ、二つ、後三つ…
覚醒した意識ン中で唯只管仄暗い閑散した空間漂うんは、躯を丸めた自分自身の抜け殻やった“
幽体離脱”正にそないな言葉が当てはまる…──左右上下も在らへん場所から達観視した空間から眺める自分は誰で、今何処に在るンかと問い掛けても、吐き出す言葉は風の音に掻き消される程小さ過ぎて…言葉に成ってたンかすら今の俺には解らへん。
唯な、暗かった
ボヤケた視界に映った小さな…
豆電球みたいなちっこい灯りがアンマリにも綺麗過ぎて。静寂保って無音遣った世界に小さく、ホンマに小さく聞こえてきた『
其れで良えンか…──』と、アレは誰遣ったんやろ。
そんなん、語らず共解っとる…憎たらしい顔した彼奴。俺は変われるンやろか財前…、正直な不安や亦此処に戻って来る事が。人は触れた温もりを忘れる事は出来んから、……それでも学ぶ事は出来る筈やと自分やったら笑うて呉れるて信じとる。苦みも痛みも何時か笑い話に出来る筈やから
───ただいま、そう笑って帰って来れたンは。此処を見て呉れとる自分等の御陰ただいま
ンでもって御帰り…
──新しい俺。