他者、倖を切願しす心友
“
人の倖は自身の倖”そんな詞が口癖の、と或る心友。他人から達観し見据えれば浅短な間柄遣ったカモ知れん、其れでも俺にとっては掛け替え無い
奴に代わりは無く。何時の日か旅立つと剰え亦腕の中から一人消え去ると予測と言う名の覚悟をしとった、筈。
自業自得…──。そんな言葉が頭を過ぎった、幾ら予測や覚悟を決め込んだ処で“平気”な訳やなくて、滅入り弱音零す俺を側で親身寄り添ってて呉れたンは他でも無い自分や。此処の存在は秘密にしとるし本来の姿や無い俺を御前は判断出来ん遣ろう、其れで良え観られたら恥ずかしいモンしか残ってない此の場所はひっそり沈むだけや。
御前の最後の願い“メッチャ幸せやって笑って見せぇ。”そんな事俺に出来んのやろか、心友や親友…友と呼べる彼奴等と共に笑い倖せを分かち合う事は出来る、ケド其れは御前の本来の意味合いや無いと怒鳴るんやろ?其れでも今は御前と前向きに向かい合う度胸を、勇気を散らかった部屋に
落として無くした俺にその資格は在らへんよ。
転がり迷い。時折立ち止まる俺やけど、…御前が居ったから前進む事出来たんや、其の御前が願う最後の願いは何時か叶えたい何時か…──そう、いつかな。
そやから俺も御前の
倖せを切願為る、倖が自分に降り注ぎ何時迄もその太陽のような笑顔を絶やさん事を此処に。
最愛の心友へ