ほら、もうすぐ君の誕生日だろう？
だなんて、理由をつけてはこの場所を維持するために。
ページを開いて少しだけ読み返して、また少しだけ文字を綴って。
そういえばぼうやも俺の事を可愛いと良く言っていたんだったか…
なんだかんだ互いに猫可愛がりしていた気もするね。
今となってはとても懐かしい。

愛しさは色々と形を変えて残ったままだけれど
俺もぼうやもそれぞれの道を歩いているよ。

見つけたよ。
ありがとう、今年のぼうやの誕生日。
お祝い出来ると良いんだけど。
最近、うっかりが多いからな。

あっ、日記の数字が末広がりだからぼうやにも何か良い事が訪れるはずだよ。
きっとね。

どうやら彼等の日記が新たに始まったようだね。俺は久し振りにここを開いてある事に気付いてしまったからそっと直しておいた。懐かしいね、君達の言葉がまた見られた。それだけで嬉しい。

そして、まさかの失態だよ。ぼうやと並んでいたのになぁ。

久方振りにこの日記を開いた。ぼうやとではないけれど交換日記がひとつ消えてしまって此処は残しておきたいな、なんて思うとそのためにも定期的に文字を綴らなくてはいけなくて。時の流れというものは本当に残酷だ。

ぼうやと並んでいるこの位置を俺は動けずに
好きだよ、と改めて口にするのも烏滸がましさを覚える程となってしまって久しいけれど。
今でも顔を合わせたらきっと可愛いを連呼してしまうだろう。
ふふ、可愛いの代わりに大好きだと伝えていたらもう少し違う表情も見れたのかと思うと勿体な…くはないな。
どの表情も俺は可愛いと想うだろうからね。
今まで俺の贈った可愛いに愛を籠めて
大好きだよ、俺の越前リョーマ。

ああ、矢張り俺に大好きは可愛すぎるね。

ああ、そうか。
もう、隠す必要は無いのか。

君にこの日記帳の鍵を渡してからもうこんなに経過してしまったんだね。
君の字で言葉で書かれた頁がとても愛おしくて何度も読み返していたから時間の経過を忘れていた。

お陰でこの頁だけボロボロだよ。

愛しい君の誕生日、忘れているとでも思ったかい？
今はそれすら直ぐに聞ける距離では無いけれど……いや、俺が行けばきっと構ってくれるだろうとは思うんだけどね。

俺がサンタの格好でバースデーケーキでも持って行ったら君はどんな顔をしてくれるかな。
君と歩く世界をこれからも俺は此処で。

愛しているよ、は少し重いかな…好きだよ、は今日贈るには軽い、大好き、は俺には似合わないからそうだな…
ただただ、君が愛しいよ。越前。

誕生日、すっかり忘れて居たよ。返事を返す前にここに書き込んでしまっては後で叱られかねないけれど…今、この瞬間の気持ちを書き記しておきたかった。
国語が苦手な君からの大事なメッセージカードこれはどこにしまっておこうかきっと繰り返し読んで顔が緩んでしまうから取り出し易く人に見られない場所が良いね。好きだよ、これからも宜しく。