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44 :仁王雅治
2012/06/24 03:35

 
都合の良い時だけ恋人面をする事を覚えた。人恋しさを誤魔化す為に利用する便利な称号を得たと喜んだのは俺よりアイツの方だったらしい。

噛み付いても唇を寄せても甘く囁いても体を重ねても、恋人っつー称号の元に割と何でも許される。世間の嫌悪を誘う事は無くなった。取り敢えず恋人と言っておけば愛で片付く話が、友人関係で同じ事をすればドン引きされる不思議。

気楽な半面、何かが違う気がしてならん。恋人が出来た経緯が不純だから後ろめたいだけなのか、恋人の使い方を間違えとるだけなのか、俺には分からねぇ。俺達が恋人同士なんて思っとるのは周りだけだろ。

少なくとも、俺は言い訳と保身が成り立つ体の良い盾が手に入ったことを喜んだ。恋人なんて名前は無くても俺達は幸せだったと思う。持ち寄った寂しい体温を二人きりで温める、それだけの事。そんな日常が愛おしかった。

しかし、それを許さなかったのが世間だった。硝子球の外から覗いとるだけの他人が喧しい。まあ、俺達の交際に彼奴等は満足したみてぇだし後は口出しせずにいて欲しいモンだ。

>世の中の“恋人”贔屓にはうんざりする。


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