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APorAMI
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7 :
千石清純
2009/11/26 11:03
俺の好きな跡部君は、俺様で、魔王で、とっても格好いい。
だけど、ただひとつ問題があって。
それが、恋人がいるってこと。
恋人と喧嘩した時にだけ、その相手に対する小さな当てつけのように俺の誘いに乗る君と、それを知りながらも跡部君に会いに行く俺。
会って一晩。
寂しさを人肌で埋めながら語り合う。
…こんなに手の早い俺なのに、最後までしたことはまだ一度もなくて。
それでも、俺と一緒に欲を吐き出した後だけは、決まって跡部君が少しお喋りになってくれた。
喧嘩の理由を喋って、「もう限界かもしれない」と笑いながらも、俺が「でも、好きなんだよね?別れたくないんでしょ」と聞くと苦く笑うようにして頷く。
その話を聞くたびに、俺は跡部君の心をどれだけ揺るがしても決してその場所から退くことのないその相手の存在を感じずにはいられなくなる。
跡部君は、貪欲に周囲を求めながらも、一番身近なその人を誰より求めてるんだなって、それが、痛いほどに分かってしまうから。
俺も好き勝手やってきた方だったし、未だに跡部君以外にも会ったりしてる。
でもそれは、跡部君が手に入らないのを知ってるからで。
…だから俺は、そのもどかしさを、切なさを、口付けに込める。
俺の願いを跡部君に言ったら、跡部君が困ってしまうのが分かるから。
跡部君との、距離が離れてしまうのが怖いから。
本当は友達だなんて、思ってないけど
本当は恋人なんて、いるはずもないけど
お互いに友達で、恋人がいて、慰めあってるだけだってことにする。
そうやって、君との関係を守ってる。
好きだから。大好きだから。
君のことだけが、本当に、好きだから。
……初恋、だから。
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