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ベルベットノクターン
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5 :跡部景吾
2010/03/19 17:44



胡散臭ェ、妖し過ぎる。


それが最初の何よりの印象。掴み所は無ェし、睨んでも悪態吐いても怯まねぇ。まるで暖簾に腕押し、そんな感覚に陥った。そのくせお前は俺の態度をものともせず、気が付けば隣に立ち余裕面で逆に圧力を掛けてきた。

印象が変わり、面白ェと思う様になったのは程無くしてだった。

俺の視線を真っ向から受け止め、それでいて飄々と嫌な表情を微塵も見せない奴は初めてだったからな。


距離を正確に測った上で遠慮せずに踏み込んで来るお前に内心慌てつつも、追い詰められる事が嫌な訳じゃ無かった。
否定と肯定を繰り返し時には傷付く虚栄心。それでも何処からか漂う愉悦。
決して被虐を好む訳じゃ無ェ、寧ろそんな事は許せ無ぇタチだが何故かお前ならば許せちまった。


愛しいと思えば思う程に、この身に爪を立て屠れば良いと…そんな風に感じる事が増えてくる。
首でも差し出せば喜ぶだろうかと、下らない事迄考える辺り好きすぎてヤバいらしい事が俺自身解る。勿論、肉体的に…じゃねぇんだが。


まぁ…その位好きになった奴なんざ、お前が初めてだぜ侑士?

だから、お前が食いたければ好きなだけ食えば良い。俺は拒否しねぇ。多少抵抗するかもしれねぇが、捩じ伏せろ。
何も解らなくなるくらい、お前の色で染めて満たし奪え。


俺もお前が居れば何も要らねぇ。
愛してる。

それが総てだ。



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