日記一覧
┗必/然メーカー。(3-7/146)
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7 :
財前光
2011/08/31 00:13
>>8
――――
俺、気付いたらさ。何も無い白い部屋に居たんだ。
如何して其処に居るのか、如何遣って其処迄来たのかは全く覚えていない。
只、確かに俺は其処にいた。
暫く呆然とし乍状況を把握出来ない儘で居たんだけど、急に天井の辺りで声が響いた。
古いスピーカーだったんだろう、ノイズがかった変な声だった。
声はこう言った。
『此から進む道は人生の道で在り、人の業を歩む道。選択と苦悶と決断のみを与える。歩く道は多くして一つ、決して矛盾を歩む事無く。』
其処で、初めて背中側にドアが在る事に気が付いた。
横に赤いベットリした字で、『進め』とだけ書かれていた。
『三つ与えます。
一つ。右手のテレビを壊す事。
二つ。左手の人を殺す事。
三つ。貴方がシぬ事。
一つ目を選べば、出口に近付きます。貴方と左手の人は解放され、其の代わり彼等はシにます。二つ目を選べば、出口に近付きます。其の代わり、左手の人の道は終わりです。
三つ目を選べば、左手の人は解放され、おめでとう、貴方の道は終わりです。』
一言で云えば滅茶苦茶。馬鹿らしい噺。
でも、其の状況で馬鹿らしい何て思う事は出来なかった。
ガクガクと勝手に震える脚が、異様だけど従わなければ成らない事を告げている。
そして俺は考えた。寝袋の脇に、大振りの鉈が在った。
何処かの見知らぬ多数の命か、直ぐ傍の見知らぬ一つの命か、一番近くの良く知る命か。
未だ、シにたくない。明白だった。
ぐちゃ。
ドアは未だ開かない。もう一度、鉈を振るう。
ぐちゃ。
顔の見え無い匿名性が罪悪感を麻痺させる。もう一度振り上げた処で、カチャリと音がしてドアが開いた。
次の部屋に入ると、右手には客船の模型、左手には同じ様に寝袋が在った。
>>6
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6 :
財前光
2011/08/31 00:12
>>7
『三つ与えます。
一つ。右手の客船を壊す事。
二つ。左手の寝袋を燃やす事。
三つ。貴方がシぬ事。
一つ目を選べば、出口に近付きます。貴方と左手の人は解放され、其の代わり客船の乗客はシにます。二つ目を選べば、出口に近付きます。其の代わり、左手の人の道は終わりです。
三つ目を選べば、左手の人は解放され、おめでとう、貴方の道は終わりです。』
客船は只の模型だった。
けれど其の時、其の言葉は本当だと思った。理由何て無い。只、脳が告げていた。
俺は寝袋の脇に在った灯油を空に成る迄振り掛けて、火種を放った。
どれ位経っただろう。
次のドアが開く音がして、何も考えずに其処に入った。今度は地球儀と、亦、寝袋が在った。
『三つ与えます。
一つ。右手の地球儀を壊す事。
二つ。左手の寝袋を撃ち抜く事。
三つ。貴方がシぬ事。
一つ目を選べば、出口に近付きます。貴方と左手の人は解放され、其の代わり世界の何処かに核が落ちます。二つ目を選べば、出口に近付きます。其の代わり、左手の人の道は終わりです。
三つ目を選べば、左手の人は解放され、おめでとう、貴方の道は終わりです。』
思考や感情は無かった。
機械的に寝袋脇の拳銃を拾い撃鉄を起こすと、指に力を込めた。
ぱん。ぱん、ぱん、ぱん、ぱん、ぱん。
ドアを見ると、鍵は既に開いていた。
何発目で寝袋がシんだのかは知りたくも無かった。
最後の部屋は何も無くて、思わず俺は安堵した。
良かった漸く出られる。其う思って。
声が言った。
『三人の人間と、其れを除いた全世界の人間。そして、君。
コロすとしたら、何を選ぶ。』
俺は黙って、今来た道を指差した。
すると亦、頭の上から声がした。
『君は矛盾無く道を選んだ。人生は選択の連続、匿名の幸福の裏に匿名の不幸が、匿名の生の為に匿名の死が在る。君は其れを証明した。
最後に、一つの命が如何だけ重いのかを感じて貰う。
出口は開いた。おめでとう。』
其の時、脚にコツ、と何かが当たった。
三つの遺影。
両親と、弟の遺影が。
―――
「此で、御終い。」
Cの話が終わった時、AとBは其の声で正気に戻った。
じっとりと、手に掻いた汗を握り締める。カラカラに渇いた喉で無理に笑い乍、Aが勢いを付けて此う言った。
「気味の悪い話は止めろよ。嘘の噺だって、」
Cが笑う。
「もう、吐いたさ。」
「え、」
一つ、作り話をするよ。
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5 :
財前光
2011/08/30 23:13
幸せなら其れで良ェ、て言える位に回復した自分。彼の時に自分で付けた疵は痕は遺っとっても大分癒えて、笑える様に成った。
未だ、踏み出したのは一歩にも満たんかも知れんけど。少しだけ、褒めて遣ろう。
自分を。
其うせんと、前に進めんから。
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4 :
財前光
2011/08/30 21:50
書きパスと日記パスを同じにしたンが運のツキ、ちゅうか。大切に握っとった泥団子を、呆気無く踏み潰されて、破壊された感覚。
歪やけど、大事なモンやったのになァ。やって、軌跡や。俺の。俺と、声を交わらせて呉れた人の。
留守中に、無断で、取り上げられるなンアンマリやと思うのは、俺が自己中やからか。否めへん。
もし、此の言葉等が誰かを傷付けたり賎しめたりしたンなら、納得が行く。
>もし御前の仕業なら、俺は酷く辛い。
其の時は。良かったな、て云うたりましょうか。なァ。
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3 :
財前光
2011/08/30 18:31
>愛読。
1/
縊死、
抱きしめながら逝く
おかえりが聞きたい。
ガレリオ
しのぶれど、
2/
骨の尖
ゾンビハッカー
流れ星collar
逃げ水
りらくま。
revolving.
目隠し鬼
くぐもり
nicotine
路地裏三番街.
3/
貴方を愛してる
ビードロの水槽
カバだって走るんです。
最初で最後、
惑星について。
天国のリンゴ
はるゆめ。
トランキライザ
:::
少女Aと少年Bが一番綺麗だった頃。
__ah.fourtunate、
#01 だってそれは、とても美しかった。
Type A to Zero
花鋏は椿を愛でる。
Spring Like
どみの
てふてふの涙。(ちょー、御疲れ。)
Tycoon
忍足家の住人(仮)
御厭で有れば、一言如何ぞ。
( 随時追加、)
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6 :
財前光
2011/08/31 00:12
>>7
『三つ与えます。
一つ。右手の客船を壊す事。
二つ。左手の寝袋を燃やす事。
三つ。貴方がシぬ事。
一つ目を選べば、出口に近付きます。貴方と左手の人は解放され、其の代わり客船の乗客はシにます。二つ目を選べば、出口に近付きます。其の代わり、左手の人の道は終わりです。
三つ目を選べば、左手の人は解放され、おめでとう、貴方の道は終わりです。』
客船は只の模型だった。
けれど其の時、其の言葉は本当だと思った。理由何て無い。只、脳が告げていた。
俺は寝袋の脇に在った灯油を空に成る迄振り掛けて、火種を放った。
どれ位経っただろう。
次のドアが開く音がして、何も考えずに其処に入った。今度は地球儀と、亦、寝袋が在った。
『三つ与えます。
一つ。右手の地球儀を壊す事。
二つ。左手の寝袋を撃ち抜く事。
三つ。貴方がシぬ事。
一つ目を選べば、出口に近付きます。貴方と左手の人は解放され、其の代わり世界の何処かに核が落ちます。二つ目を選べば、出口に近付きます。其の代わり、左手の人の道は終わりです。
三つ目を選べば、左手の人は解放され、おめでとう、貴方の道は終わりです。』
思考や感情は無かった。
機械的に寝袋脇の拳銃を拾い撃鉄を起こすと、指に力を込めた。
ぱん。ぱん、ぱん、ぱん、ぱん、ぱん。
ドアを見ると、鍵は既に開いていた。
何発目で寝袋がシんだのかは知りたくも無かった。
最後の部屋は何も無くて、思わず俺は安堵した。
良かった漸く出られる。其う思って。
声が言った。
『三人の人間と、其れを除いた全世界の人間。そして、君。
コロすとしたら、何を選ぶ。』
俺は黙って、今来た道を指差した。
すると亦、頭の上から声がした。
『君は矛盾無く道を選んだ。人生は選択の連続、匿名の幸福の裏に匿名の不幸が、匿名の生の為に匿名の死が在る。君は其れを証明した。
最後に、一つの命が如何だけ重いのかを感じて貰う。
出口は開いた。おめでとう。』
其の時、脚にコツ、と何かが当たった。
三つの遺影。
両親と、弟の遺影が。
―――
「此で、御終い。」
Cの話が終わった時、AとBは其の声で正気に戻った。
じっとりと、手に掻いた汗を握り締める。カラカラに渇いた喉で無理に笑い乍、Aが勢いを付けて此う言った。
「気味の悪い話は止めろよ。嘘の噺だって、」
Cが笑う。
「もう、吐いたさ。」
「え、」
一つ、作り話をするよ。
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7 :
財前光
2011/08/31 00:13
>>8
――――
俺、気付いたらさ。何も無い白い部屋に居たんだ。
如何して其処に居るのか、如何遣って其処迄来たのかは全く覚えていない。
只、確かに俺は其処にいた。
暫く呆然とし乍状況を把握出来ない儘で居たんだけど、急に天井の辺りで声が響いた。
古いスピーカーだったんだろう、ノイズがかった変な声だった。
声はこう言った。
『此から進む道は人生の道で在り、人の業を歩む道。選択と苦悶と決断のみを与える。歩く道は多くして一つ、決して矛盾を歩む事無く。』
其処で、初めて背中側にドアが在る事に気が付いた。
横に赤いベットリした字で、『進め』とだけ書かれていた。
『三つ与えます。
一つ。右手のテレビを壊す事。
二つ。左手の人を殺す事。
三つ。貴方がシぬ事。
一つ目を選べば、出口に近付きます。貴方と左手の人は解放され、其の代わり彼等はシにます。二つ目を選べば、出口に近付きます。其の代わり、左手の人の道は終わりです。
三つ目を選べば、左手の人は解放され、おめでとう、貴方の道は終わりです。』
一言で云えば滅茶苦茶。馬鹿らしい噺。
でも、其の状況で馬鹿らしい何て思う事は出来なかった。
ガクガクと勝手に震える脚が、異様だけど従わなければ成らない事を告げている。
そして俺は考えた。寝袋の脇に、大振りの鉈が在った。
何処かの見知らぬ多数の命か、直ぐ傍の見知らぬ一つの命か、一番近くの良く知る命か。
未だ、シにたくない。明白だった。
ぐちゃ。
ドアは未だ開かない。もう一度、鉈を振るう。
ぐちゃ。
顔の見え無い匿名性が罪悪感を麻痺させる。もう一度振り上げた処で、カチャリと音がしてドアが開いた。
次の部屋に入ると、右手には客船の模型、左手には同じ様に寝袋が在った。
>>6
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8 :
財前光
2011/08/31 00:14
>続、怖い噺。
三人の男が居た。AとB、Cと云う男。
此の三人は所謂腐れ縁の中だったが、AとBが上京し大学や専門学校に進学し、Cは地元に残ると進路は違った為に随分と互いの顔を見て居なかった。
或る時。
久し振りに、三人は合間見える事に成った。上京組の帰省と、地元組の休みが重なった貴重な休日。
Cが家へ来い、三人で一杯やろうと声を掛けてAとBは土産を持って彼の実家へ赴いた。何年振りかに、友の家に訪れる。
中には誰も居なかった。
「親御さん達は。」
「嗚呼、今は俺一人なんだ。」
つまみを持って座ったCに、尋ねたAは返事も程々に酒を呷る。
へェ、出掛けてるのか。其れなら気にする事も無いな。
三人は酒を飲み、語り合い、良い位に酒が回ってきた。
暫くして、上機嫌のBが提案した。
「なァ、今日は4月1日だぜ。もう直ぐ日付も替わる。如何せなら、酒の肴に嘘でも吐かないか。」
Aは面白そうだと頷き、自分は近々結婚して此方に帰って家庭を持つつもりだったが浮気をしていると言った。Bは、もう直ぐ夢だったアーティストに成る、デビューは決まっているのだけれど内輪揉めが起こって仲間をコロしたと言って、笑った。
明白な嘘。けれど、此の場で終わる脆い作り話。
カラカラと笑って、二人はCを見た。
「おい、C。御前も話せよ。」
「其うさ、中々面白いぜ。」
Cは頼り無げに、笑う。
「あァ。けど俺は二人の様に上手く話せ無いから、一つ作り話をするよ。」
「作り話?」
「うん。まァ訊いて呉れよ、」
俺、夢を視たんだ。
Cはグラスを見詰めて、口火を切った。
>>7
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