ウィル・オ・ウィスプの片鱗

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┗1057.ウィル・オ・ウィスプの片鱗(16-20/140)

20 :隠／者(i／d／Ⅴ)
2023/10/24(火) 10:20

この気持ちは知られてはならない。いや、きっと気付かれて居るのだろうが、お互いに決定打を与えないようにしている。名前のついた関係に当て嵌めてしまうと途端に終点が見えてしまうから。

私はあの子と共に並び立つだけで良いのだと。

頼む、どうか。

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19 :隠／者(i／d／Ⅴ)
2023/10/24(火) 08:56

非番だった私は昼頃迄睡眠を取っていたのだが、あの子は私を起こさずに静かにベッドを抜け出てくれていたようだ。目を覚ますと既に日は高く、太陽光に寄って温められた室内の温度が温かい。ふとティーテーブルに視線をやるとティーカップとポットが置いてあるのが見て取れた。ほんのり温かさを残したミルクティー。あの子が私の為に用意してくれた物だ。せっかく用意された物を粗末には出来ない。何より私の為にあの子が用意してくれた物だ。
>冷めていたものの、香りが良く香辛料が入っていたようだ。あの子はなんでも出来るのだな。

このミルクティーは仲良くなりたい人と一緒に飲むのが良いらしい。
>次は是非、一緒に。

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18 :隠／者(i／d／Ⅴ)
2023/10/22(日) 16:58

私は試されて居るのだろうか...。

『来てくれた日から大事にするって決めてた』
>まるでプロポーズの様ではないか。

『あんたにされて怖い事なんてないからへーき』
>抱き上げた時の目線の高さに隠すこと無く表情を強ばらせて居たと言うのに。抱き上げるのは止めようかと言った矢先のこの言葉よ。

#私は自分のものだ、と主張するあの子が今日も愛らしい。

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17 :隠／者(i／d／Ⅴ)
2023/10/21(土) 01:46

私の名を呼ぶ声が好きだ。もうこの名を呼ぶ者など居ないと思って居たのに。『沢山呼ぶから慣れてくれ』なんて、とんだ願い事だ。
>君と話をする度に絆されている気しかしないが、存外、満更でもない自分に失笑してしまう。

今日は早く帰って私を出迎えたいと言う物だから少しだけ寄り道をしたのはここだけの話。
部屋で話をしている間に眠ってしまうのはそれ程までに気を許してくれているのだと、私の自惚れに拍車をかけてしまうが良いのだろうか。
>私の声は落ち着くのだそうだ。

#君は、私が口説いたら皆靡くと言うが、君以外には全く興味が無いのだよ。
>好きな物にしか興味が無いのは当然の事だと思うのだが皆違うのだろうか。

一番、口説き落としたいのは目の前に居るあの子なのだがこれ以上踏み込むのが戸惑われる。
甘い言葉と優しい夢であの子が私から離れられなくする事で精一杯だ。
>怖い、のだけれど...離れられ無くなりつつあるのは、私の方だな。

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16 :隠／者(i／d／Ⅴ)
2023/10/20(金) 02:14

この子はどうしてこんなにも愛い事ばかり言うのだろうか。傍から見ても十分に可愛いと思うのだが。容姿云々と言う話ではなく物の考え方やどうしたい、何がしたいと言う意思が優しくもはっきりとしている。我を通すだとか我儘のような事ではなく、相手を尊重した上で要求を投げ掛けてくる。
>私は、あの子に尊重されている。

昨日から荘園主より賜った首席顧問の衣裳を身に纏い、期間限定で開放されている居城を案内する役目を仰せつかって居るのだが、そこでピアノの演奏をしなければならなくなってしまった。何でも、家具の体験会、だそうで。荘園に呼ばれる前...生前は、お高く止まった貴族達の集まり等に招待された折に余興程度にしか弾いていないと言うのに。
>自分の為だけにピアノを弾いて欲しいだなんてリクエスト、君からされるとは全く予想していなかった。

#お互いがお互いの初めてになるなら、これ程嬉しいことは無いな。

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