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1065.ラストノートがわからない
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193 :
鍾離
2025/03/06(木) 00:26
🐉🔶落花流水の情
「俺」として「彼」を語る際は「お前」と称し頁のステッカーの貼る順番を変えることにしているが、「彼」から「俺」を語る際は「アンタ」と称する差別化でもするのだろうかと思いながら。
璃月の石畳をにわかに積もらせた雪は俺が目を覚ます頃、朝露と紛れ苔のむす岩に滲みて消えたらしい。
キンと冷えた夜を裂く風が俺のピアスや外套を揺らす。スネージナヤとは異なる岩肌の冷たさをお前に教え、同時にその風が服の隙間を抜ける寂寞を教えられた季節の二周目の足取りをまた一つ進む頃合が近い。
日のある内に蓄えた璃月の新たな情報や若者の知識、その日目を覚ました花鳥風月───生憎俺の得手とする事はこの記憶力程度だが、夜毎俺の元へ帰る彼にそれらを渡すところりと表情を変え海を閉じ込めた瞳に星の光を映して笑い、時にこれは細かい好みが合わないと屈託なく告げる青年の顔がいつ見てもあいくるしい。
数年前から趣味が変わらないと皮肉を言われたら返す言葉もなく微笑むしかないのだが、俺からは百面相に見える顏が俺の振る舞いで転がるのはやはり見ていて落ち着く。
言うことを聞かせるのではなく、この小さな凡人の身体に何時からか覚えさせられた恋心が生み出す波紋の広がりを知っていて欲しいだけだ。結果として振り回しているのかもしれないが。
そうして湧いた感情に五感をくっつけ、また一つ思慕が互いに連なり積み上がる。俺の特技も利用出来る公子殿との日々に悲愴なぞ永劫に訪れないのではないか、と慢心をしたくなる程に安寧を注がれる今が尊い。
供えた香木にはにかんで擦り寄り人馴れした子猫の振る舞いで寄り添う暖かさに、そろそろお前自身も慣れたか。公子殿。
逃がしてやれる気もしない故、どうか引き続き俺と居て欲しい。
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