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1065.ラストノートがわからない
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210 :
鍾離(乱入)
2025/05/24(土) 07:27
🐉🔶5/24
眠気を催しているとき、疲れているときの公子殿は、非常に分かりやすい。
……いや、きっと普段の彼なら、「公子」として過ごしているときの彼ならばそんなこともないのだろう。俺の前だから無防備にも寛いで、甘い滑舌でものを言うのだと思う。
日々の公務に付き合いに、蓄積された疲労を背負って今日も俺の元へ戻って来た彼は、俺を寂しがらせまいと緩んだ様子で言葉を交わしてくれた。その優しさが何とも愛おしくてたまらない。どうやら疲労が表れているのは無自覚だったらしく、俺が整えた寝床で大人しく目を閉じる。俺はまだ眠気もなかったが、公子殿が安らげるようにと揺り籠になっておく時間が好きだ。
そうして俺の腕の中で揺られる彼に寝惚けた声で「先生の日記が読めたら嬉しい」と言われたら……期待に応えたいと思うのが恋人を持つ凡人らしい考えだと言えるだろう。
日記に限らず、文章を綴ることは好きだ。山の奥で過ごしていた頃も、大地を拓いて歩いた頃も、何年とかけて頁を一枚埋めてはどこかに手放してきた。しかし今は凡人として生きる身。そう長い時間をかけられないが、それはそれで楽しみを見出している自分に気付かされる。
公子殿といまの仲になって以来知った喜び、幸福。この日記帳に頁を挟むペースから、やはり俺と彼の間に流れる時間の感覚は異なるのかもしれない。それでも毎夜、大きな一つの枕に互いの頭を預けて想いを伝え合っている。同じ夜を生き、同じ朝を迎える暮らしは飽きが来ないな、公子殿。
……さて、公子殿が起きるまでに書き上げられただろうか。答え合わせはまた後程。
🐳🏹見なよ、俺の寝言混じりのお願いを叶えてくれる先生を
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