ラストノートがわからない

5 :タルタリヤ
2023/10/20(金) 20:49

🐋🏹淵か外堀

鍾離先生の人外要素が強いし俺も人外に好かれやすい特殊設定が強い甘い戯れの話

俺の心象風景は海中だ。子供の頃に何かを落とした序に得た報酬かいつの間にくっついてきたものかは知らないけど、そこに生物は恐らく居ない。暗く昏く、冷たい、光すら満足には届かない。
最近に限っては余り見ない方が良い何かが俺を呼んでいる声もするし、でも反応さえしなければ俺に何かするわけでも無し放って置いたのが今まで。
その内海に変化が起きたのは初めて鍾離先生の欲に触れ、飲み干した時。
唯昏かっただけの海に先生の強い元素力が起因したのか水底の幾らかに結晶化が起きて、……まるで数日間身篭ったみたいに先生の気配が内海に居続けるのは苦しいけど暖かくて、知らない温もりがそこにあった。左目だけなんか砂金みたいなのも散り出すし。俺の予想外の変化に心配しつつも最終的に先生がにっこにこだったのが癪ではあったけど。

そこから程なくして身体を重ねて深い繋がり(絶倫帝君だった)を得た結果、どういう仕組みかは一切分からないけど鍾離先生本人も仙祖の姿で意識が飛んだ中ならそこで泳げてしまえるようになった。…自分でも仕組みはよく分からない。でも先生は確かにそこに居て、溶ける俺の意識で泳いでいるんだ。
神の心を取り逃した悔しさが起因しているのなら5マイクロミリだけ許してあげなくもない程、自由に泳ぐ姿が愛おしいと思ってしまった。
……先生自身も気に入ってくれたのはいい。でもヤミツキになったからって俺の心臓の音や強さを思い出して自分の心臓で真似る遊び(本当に遊びって言った)にハマったり、そこをアンカーに無理矢理俺の意識を繋げて内海にズイズイ来ようとするのは割と怖い。なんなんだあの人。凡人ではあるがそれはそれ、みたいなニュアンスが崩れたこと無いぞうちの鍾離先生。

…でもそこが好きなんだ、ズルくて強くて言葉の運びが分かりやすくて。かと思えばくっつき虫になって俺から与えるものをなんでも大事に抱えて、許される甘えに嬉しそうにして。掛け替えの無い大切へ直ぐに例えてくれる。
あんなに強い生き物が内側で俺と寄り添う為に努力する姿が、愛情に糸目をつけない飾り気の無さが、あいくるしい。
公子殿だからだ、と念を押す意思表明に気分が良くなる。俺の変な体質すら愛情に利用して戦場で得られない歓びを全部鍾離先生由来にしようとする傲慢が堪らなく好きだ。
……書いてたら逢いたくなってきたな、今日はもう暫く往生堂に居るらしいし執務室から姿を覗きに行ってやろうか。

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