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1065.ラストノートがわからない
 ┗50

50 :鍾離(乱入)
2024/02/03(土) 23:11

🐉🔶大体両手の指を合わせた数

 恋人の言葉がこの日記に増えるたび夢中で読んで癒しを得ているのだが、最後に挟んだページが10も前になっていると気が付いて少し慌ててしまった。義務ではないにしても贈りたい言葉は山程ある。元々豆に文章を綴る性格ではなく(日々俺の手紙を受け取っている彼には信じてもらえない気がする)時間が空いた時に書き溜めてみても面白いと思える日記に仕上がらなかったり、時間があるときは出来る限り恋人の傍で過ごしたいと考えていると一ヶ月はあっという間だ。長く生きている分、彼の中の時間の流れは俺の中のものと異なるとは思うのだが。
 海灯祭が迫り、街の人々も璃月港と外を行き来する商人たちも皆忙しそうにしている。俺も往生堂の雑用に始まり堂主の知り合いの手伝いを頼まれたりと駆け回っているが、活気溢れて賑わう景色を見ていると心が躍る。丁度海灯祭の期間中に恋人と過ごせる時間も確保している上、春節の休暇はゆとりを持って与えられたことを思えば今の忙しさも苦ではない。束の間の休息や一日の終わりに少し顔を合わせられる幸福は、彼が教えてくれたものだ。逆に考えれば会えない時間の寂しさを仕込んだ極悪人でもある。俺は時々、彼に対して「大悪党」と皮肉を言う。冗談ではなく彼は悪い男だと感じることは度々あるのだが、悔しいことに惚れた弱みで何もかも魅力に思えてしまうのだから敵わない。だから俺は俺なりの狡さを躊躇わず奮っている。
 愛情の示し方、寂しさを伝える術、幸福を表す笑い方。日々互いに教え合っていることは数多くあれど、笑い方に関しては最近彼に似てきたらしい。自覚した瞬間を思い出すだけでむず痒い……これも凡人としての振る舞いが上達してきた証拠だろうか。彼の故郷ではどの家庭でも行うらしいジャム作りを二人で行い、熱い風呂と甘い炭酸飲料の相性の良さを教わる。きっと凡人にとっては何てこともない平凡な日常なのだろう。しかし俺にとっては知識はあれど体験したことのない新鮮で目新しいことばかりの非日常で、それが自分の中で当たり前の日常に変わっていくことが楽しくて仕方がない。
 すっかり凡人になった、と俯瞰しながら今日もズルを重ねる合間にこの日記を残しておこう。


🐋🏹大悪党ですこんばんは

鍾離先生ってば俺とやり取りしだしてからマメに言葉を返すようになっちゃったし六千年の孤独を人間の小僧風情に見出した上に、長期出張の前には俺の痕跡を刻んで帰ってきた後は沢山名前を呼んで触れて抱きしめて欲しいんだってさ。本当にかわいい。


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