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1065.ラストノートがわからない
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7 :タルタリヤ
2023/10/23(月) 01:15

🐋🏹他国の花は未知と蜜の味

互いの洞天に行き来して気分で寝る場所を変えてるのが俺達の半同棲スタイルなんだが、だからといって軽率に先生の洞天だけ大掛かりなものでなければ軽率に変えられるのはちょっと狡いと思う。
…そもそもうちの鍾離先生は大体狡いことをしてるって言うのは兎も角。強い前提の鍾離先生が俺の為に色々細かい調整するのが可愛くて仕方ない俺がいるのは更にさておき。
最近俺がよく見ていた甘い花の正体が妙に気に掛かって色々強請った結果、先生が俺と入る用に増設してくれた岩風呂の背景に奥蔵山みたいな岩山と秋の色をした木の隙間に甘い花──丹桂が程よく咲いた状態を簡単に作りだしてくれた。
漸く名前を知れた丹桂がただでさえ浴室の中でずっとふんわり甘いのに、一度やってみたかったとは言え背中を流す行為そのものも甘くて、「恋人」してる時の俺の優しくしてる触れ方を愛でる表情も甘くて。平気なフリして心臓が静かに速まる。
戦場で得られない物だけでなく、戦場で得る昂りの幾らかまで上書こうとする似非凡人の我儘が俺以外の誰に受け止められるって言うのか。

返事が遅くなっても甘い時間は日を跨いででもしっかり締める形で過ごしたがる先生は、やっぱりかわいい。かわいい俺の人。そんな先生とは季節の境目に出会って、また違う境目に共に向かおうとしている。
冬の過ごし方の話のついでに沿う、少し先。スネージナヤへの帰省タイミングと合わさったとしても年と年の境目に生まれた先生の時間を必ず貰いに行く約束の証を一つ付けた。
涼やかな目で寂しそうな横顔を形成するのが何となく納得いかなくて、引っ張ったのが俺達の関係の再構築の始まり。…軽い応酬がやっぱり楽しいと思ってしまって、共に夜更かしの会話を重ねると気温がそうさせたのか寂しさを引き寄せて、ほんの些細な鍾離先生からのお強請りをキッカケにした買い出しを逢瀬と称された日の夜は其れを極めたものだった。
鍾離先生にとって都合のいい呼び方の関係性になれるからこそ、そんな形でもいいから傍に置いて欲しかった俺を許さなかった先生が嬉しかった。…らしくなく好きに蓋をしたのが直ぐにバレた理由は言わずもがな。
大切だからこそ捏ねて考えて、遅くなっても必ず渡してくれる想いと言葉達が愛おしい。恋人の直前、両思い前提の友達の期間を真正面から設けたいと告げる姿が微笑ましかった。
あの時抱いた甘い気持ちは今もまだ、俺の中にある。鍾離先生は大切だからこそ一旦躊躇う愛情を示す人なのだと得た確信が愛おしい。
丹桂の甘い香りに包まれながら一緒に風呂に入ったからかな、その日先生におすすめされて作った香膏が最初の幸せに繋がったことを突然思い出した日でもあった。


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