珍しく彼からキスのおねだりをされた。から、慌てて日記を書いている。追記してもよかったんだけど、追記の追記ってくどいかなと思って。おさけって、すごい。教授のことまで蕩けさせてしまうんだ。普段と違う彼が見れて嬉しいけど、すごくてれる。し、もっと先が欲しくなる。お酒の勢いで頼んだらしてくれないかな、なんて思うけど、多分無理だろうな。教授、真面目で誠実だから。かわいいだろ？詳細は教えてあげない。僕だけが知っていればいい、取られたら困るからね。

あと、明日ちょっと………、その、大人のキスをおねだりしたら頷いてくれたから、それも楽しみ。教授、キス上手いんだ。どこで覚えたのかは知らないけど、気持ちよくてすぐとろけてしまう。ずるい。

未来の自分はやきもきしてる僕を見てどう思っているんだろう。どうせ、バカにしているんだろうな。君の姿は見ていて飽きないよ、とか言われそうだ。……ああ、クソ。ムカついてきた。ピノコニーでのことを思い出したよ。教授は僕に『自滅が好きだな』と言ったけど、本当かもしれない。

毎日しつこいくらいキスを強請っていたら、最近はレイシオが折れて毎日キスしてくれることになった。まあ僕がねだっているんだけど。いちど、ハグを彼がねだるまでねだらないようにしようって考えた日があったんだけど、それはすぐ終わってしまった。レイシオがハグをねだってくれたから。……あはっ、嬉しかったなあ、あれ。彼は滅多にねだってくれないからさ。いつかキスもねだってくれたりするのかな、……キスをねだるレイシオか。想像つかないなあ。

追記。
ねだられたわけじゃない、けど、彼からキスされた。いつもねだる側だからすぐに照れてしまったけど、うれしかった。僕いつもグイグイいくタイプだから、矢印がむくと途端に照れちゃうんだ。参ったなあ、もう。みだされてばっかりだ。

待つのは得意だって言ったけど、確定した未来をまつのはそわそわする。

９／６
レイシオに教えちゃった。だって書いてくれるって言ってくれたんだ。恥ずかしいから絶対教えないと思ってたのに、僕だってレイシオの読みたいから。ということで、今後はレイシオも乱入してくれるかも。うれしい。何が嬉しいって、僕の日記を書こうとしてくれることが嬉しい。たまにでいいから、あそびにきてね。レイシオ。

確保。呪いって、のろいともまじないとも読めて面白いよね。

レイシオに呪いをかけられた。のろいとも、まじないとも読んでいい。強力なそれ。僕がレイシオにかけた呪いなんかより、ずっとずっと強力なそれは。毒のように僕のからだを巡っている。

僕は、彼によそみをしない呪いをかけた。彼は、僕のこころを奪う呪いをかけた。見事僕はこころを奪われて、彼に夢中ってワケさ。ひどい？いいや、彼も僕の別の呪いに蝕まれてる。おあいこだろ？

彼、僕のこと好きでいてくれてるみたいなんだよね。まったく実感が湧かないんだけど、そうらしい。晴れて両想い。でも付き合ったりはしない。どうしてか。彼が失望されるのを怖がっているようだから。僕ってやさしいから、怖がりな彼を待ってあげることにしたんだ。僕が信用できるまで、ずっと。何年先だって構わない。待つのは得意なんだ。

ワタシがこの場へと招かれてからはや十日。「サンデー、キミはいつ書きに来てくれるんだい？」というアナタの問いに「今の用を済ませれば」と返してからは……予定していたよりも遅くなってしまいましたね。改めて御招きいただきありがとうございます、アベンチュリンさん。

さて。本日は懐旧ではなく、彼がレイシオさんと出逢ってからの話をしましょう。皆様もご存知の通り、アベンチュリンさんは交渉の場において優位に立つことを得意とし、その大胆さで成功を手にしてきました。ただ、かの博識学会の秀才相手にはそう簡単には行かないようなのです。今までどこへ居ても追われる側だった彼が追う側となり、レイシオさんの一挙手一投足に感情を乱されている所を眺めるのは中々愉快ですよ。この日記を読んでいるアナタ達も、そんな彼の意外な一面を知っていくことになるのでしょう。

友人が充実した日々を過ごしているのなら、それに勝る喜びなどありません。今後も彼等に安寧があらんことを。それでは。