昨日は教授が飲みの席だったらしくて、いつもよりあんまりあえなかった。いや、飲みの席にしてはよく来てくれてたと思う。教授、そういうところ優しいから。で、結局彼何杯飲んだと思う？１４杯だ。アハハ！酒豪すぎる。しかもあんまり酔ってないときた。スゴすぎる。僕なんてそれの半分も飲めないよ。

僕も教授の真似をしてスラーダを３本くらい飲んだんだけど、ふわふわになってしまってね。教授にたくさん甘えてしまった。付き合ってもないのに、すき、とか、ハグとキスもしたい、とかね。ハグは帰ったあと叶えてくれたけど、キスはダメなんだって。ちゃんと段階を踏んでから、って言われちゃった。あは、誠実というか真面目というか。僕は彼のそういう所が好きなんだけどね。いつか何かの気の迷いでキスしてくれないかなあと思っているよ。これは内緒ね。

そうだ、あのお風呂好きの教授が、僕の睡眠を優先してお風呂を後回しにしてくれたんだ。僕が眠ったら行く、と言ってくれてね。それがなんてうれしかったか。

教授のことを書こうと思ったけど、今日は特に面白いことなんてないよ。嘘、冗談。きのうはね、いいことがあったんだ。

教授は寝起きがすこぶるわるい。機嫌が悪いとかじゃなくて、ずっとふわふわしてる。だからふわふわレイシオって読んでるんだけど、気に入らないらしくて本で殴ってくるんだ。
で、問題はここからだ。僕はいつもどおり彼の眠そうな顔をたのしんでいたんだけど、二度寝を決め込もうとする教授を起こすためにケーキたちをけしかけたんだ。それでも寝ようとするから、慌ててベッドに乗って起こしに行ったら、両手を広げて無言でこっちを見ているわけ。理由はもちろん、わかるだろ。僕は大人しく、本当に大人しく抱き枕になってやった。彼は僕の手をにぎったり、手の甲を優しく撫でたり………ドキドキが止まらなかったけど、幼少期を思い出して少しこころが滲んでしまった。こんなことしたの、姉さん以来だ。

仕事から帰ってきたあとも抱きしめられて、僕の幸運はこんなところでも働くんだとおもった。スラーダを２本飲んでいたから眠気もすぐに来てしまったけど、今日も抱きしめてねてくれた。毎日が嘘みたいに幸せだ。

どうやら今度メモキーパーかオーク家の当主が遊びに来てくれるみたいだ。僕はどっちが来たって構わないんだけど、出来ればオーク家の当主がいいな。いつまででも待ってるよ、ここを見てるの知ってるからね。

こほん。じゃあ今日も教授について話そうか。連休明けの仕事だったらしくて、途中から分かりやすく疲れていた。僕は今週いっぱい長期休暇だから、昨日は特に何もせずケーキたちと戯れていたんだけど……、それを教授に報告したら「見せてくれ」っていうんだ。しかもつめきりの様子も。教授がこんなこと言うなんて！と思いつつ、僕は猫じゃらしで遊ぶケーキたちの画像や爪切りの動画を送ってあげたんだ。そしたら、あの「かわいい」や「やばい」を嫌う（厳密にはそれを連呼する低知能が嫌いらしい）教授が「かわいい。」といったんだ！珍しい事もあるもんだ、やっぱり僕のピアポイントに居るケーキたちはかわいいんだね。

で、やっぱりものすごく帰りたがってたから、ケーキたちに会いたい？って聞いたら「君にも会いたい」って言われちゃってさ。眠気覚ましで飲んでたコーヒーを口から出すところだった。ずるくないかい？このレイシオって男は。でも僕は動揺ひとつ顔に出さないよう努めて、「早く帰ってきて」とだけ返したよ。昨日の僕は偉かった。でも最終的に彼が帰ってきたあと眠気に勝てなくて、うるうる顔でお願いしても夜更かしを許してくれなかった。残念。でも昨日も抱きしめて寝てくれたから、いいんだ。

昨日は教授がいなくなりそうになって、アルハイゼンにずっと相談していたんだ。いなくなったらどうしよう、ってね。で、僕はスラーダを飲んで……、まあ俗に言うやけ酒というやつだね。そう、ヤケ酒をして、彼を待ってたわけだけど……そうしたら、ただ寝てただけみたいなんだ！そんなことってあるかい。僕ははらはらと気を揉んでいたというのに。しかも、彼は僕の気も知らないで「視野を広げる為に他の僕とも話してこい」と宣ったのさ！有り得るかい？そんなことが。僕が長期休暇で、彼は今週いっぱい忙しいらしい。だから、その間僕は暇になるから、他の人と話せ、との事らしいんだ。レイシオ、この野郎……！本を読むのは好きなくせに、人の心を読むのは下手なんだね！僕はかんかんに怒っていたけれど、彼も寝起きで矛盾したことを言っていたし、自分でも何を言ってるか分からなかったんだろう。だって、「行って欲しいが、行って欲しくない」 っていうんだよ。普通に意味わかんないだろ、こいつ。でもそういうところが好きなんだ。

結局、「行って欲しくない」って言ってくれたからよかったものの。僕が怒るのはこの先これ以上はないかもね。
ちなみに、酔ってた僕は寝る間際に彼に添い寝とハグをおねがいして、見事にぐっすり寝たってわけだ。笑えるだろ。

俺は教令院の書記官、アルハイゼンだ。このような場を用意してくれてありがとう。君の日記を楽しみにしている。