微睡み いつもは彦卿より先に寝ちゃうんだけど、昨日は意地でも起きてやるって気合いを入れて、なんとか彦卿を先に寝かせることに成功した。先に眠っていた時には分からなかったんだけど、彦卿、
眠くなると口が回らなくなるんだよね。…ふふ、思い出しただけで笑っちゃいそう。まあ、私は優しいから、
こんなところで晒しあげるなんてことはしないけど。…そういえば昨日の彼、いつもより元気がなさそうだったの。特に否定もされなかったから、本当に疲れてたんだと思うけど。その、…ほら、
私と彦卿はずっとケンカしてるでしょ?だから、……
別に不安になったわけじゃないけど!ケンカをして元気になる人はいないし、癒される人もいない。私と話していても逆効果だろうし、早めに休んでもらおうと思ってそう伝えたんだ。でもあいつ、
君に会うことで更に元気が失われるなら、今ごろは君と会話せずに眠っていただろうね。とか言ってきたの。…はあ、嬉しいとか嬉しくないとか抜きにして、彦卿ってそういう才能でもあるわけ?だとしたら、私と相性抜群で万々歳だね。
「晴」
それは…本当にごめん
一言言ってから晴(触)れるべきだった
…………
このまま気にしないでもらえると助かるよ
ふふ、それで?
昨日より心は「晴」れてくれたのかなあ?
彦卿さん
ちょっと!
言ったそばから揶揄うとか…
…勘弁してくれ
ぷっ、ねえ、どうなの?
晴れてくれたの〜?
ああもう…
晴れた、晴れました!
雲璃さんのおかげで晴れ晴れしてます!
───意地が悪い?違う、私はそんなつもり毛頭ない!下手に穏便に済ませたところで、彼は余計意識しちゃうと思ったの。これは私なりの配慮。まあ…実際、昨日よりも元気そうで安心したのが本音。本人には絶対内緒だから!