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1649.dowód
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33 :
オクジー
2025/04/19(土) 04:58
2025/04/16
「祈りが足りない」のだと言う。「私の祈りが足りていないことで、何か良くないことが起きるのではないかと恐れている。」落ち着いた声だった。俺といる時間が長くなって、一緒にいる日常が『当たり前』になってしまいつつある。あの人はそう恐れていた。
昔から敬けんな人だった。あの人の生活は祈りと共にあった。すべての災いを憂い畏れ祈る人だ。面前では凛として立ち振る舞いながら、誰にも知れずひっそりと。真夜中の月明かりのような。清廉な心の在り方を何より美しいと思った。
俺と過ごす生活を『当たり前』と感じてくれるようになったのは、俺にとっては光栄な事実だ。すべてを畏れながら毎日を生きるなんて、当たり前を享受している殆どの人間には耐え難いだろう。日々の祈りはあの人だからこそできることだ。特別な人だと思う。だから神様に愛されている。神様が平等に人間を愛していらっしゃるのはその通りだが、あの人に限っては………こう、表現が不適切かもしれないけど、ちょっと人間離れしているところがあるというか…天から遣わされた天使様なんじゃないかと…。勿論これは例え話みたいなものだ。だけど本気でそう思えてしまう気がする。つまり、なんというか、普通の人には無理でも、あの人はそうせざるを得ない人というか、苦痛を耐えながら祈ることができていたのではないかと。…でも、それをできなくしているのが、多分…俺だ。祈りを剥奪されるのは辛いだろうし、とても不安だろう。清らかなあの祈りが、神様と繋がる絆なのだとしたら。それを俺が断ち切ってしまいつつあるのだとしたら。あまりに酷で恐ろしいことをしているのかもしれない。あの人は天使様だったのに人間に近い存在になりつつある。俺のせいで。俺があの人を天の国から引きずり下ろして匿って下界に縛り付けている。…ということに背徳的な充実感を覚えている。救いようがない。
でも、あの人は、そうじゃないと思う。裁かれるべきは俺であってあの人じゃない。神様は偉大な方だから、あの人に罪がないことはお分かりになるだろう。これまで誰より熱心に祈りを捧げてきたあの人の悲しむようなことを神様がなさるとも思えない。罰なら俺が受けます。あの人をこの先もどうかお守りください。
君は昔から私を神聖視する傾向にあるな。確かに以前の私は聖職者だったからな、無理からぬことだが…今でもそういう風に見えているのか?全く、君は一体なにを信仰しているのだろうな。
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