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1649.dowód
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42 :
オクジー
2025/04/28(月) 22:21
2025/04/28
木蓮の花が咲いている。頼りない枝に大ぶりの白い花がいくつも。何故かイメージするのは夜だ。暗闇の中に白い花だけが浮かぶ。美しい木だと思う。同時に少し怖くもある。昔から妙にこの花が気になる。椿の花もそうだが、咲き終えたあと地面に落ちるさまが、避けられないものを連想させるのかもしれない。悪い意味ではなくて、何となく惹かれるのだ。
あの人は、木蓮の香りの話をしてくれた。香り。視覚的にしか見ていなかった俺には、今までにない新しい発想だった。意識したことはなかったが、香りは好きかもしれない。かすかに甘く、でも主張しすぎず、ふと気付く優しさのような。
木蓮の話をあの人にした日、記憶が塗り替えられた。朝焼けの淡い光の中で広い枝を伸ばす木に散りばめるように白い花が咲く。この記憶には香りがあって、あの人の声がある。そこに生きるものを感じる。そういう記憶になった。
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