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鬼灯(鬼灯の冷徹)
2017/01/16(月) 00:56
刀も無用になれば試しにあの岩を斬ってみようかだの名だたる名刀なれば其れ位斬れるだろうと。折られて小さく纏められて手やすく風呂敷に纏められ雑芥で終い。
鬼は、さあ、どうなんでしょうねえ。いっそ私を殺して下さいよ、知識の神なら何がしか知って居るでしょう。嗚呼、勿論女の子の次に。殺すその寸分前に地獄に落としてやる。
そりゃ辛気臭い顔にもなりますよ。
喜んだら喜んだなりと共に喜び合えるでもなく、不幸そうな顔をしているのが私と彼の似合いであって。健やかなる時はなく病める時は共に乗り越えられるようにと同じ顔をして心情を共にして、
でもだって、あのひと、ちゃんと外では笑えて居るんですよ。
趣味なんてもう二度と楽しめないって言いながら、例えばあれやこれやとふとした拍子に言葉に浮かべて誘ったら、
そんなの全然楽しくないって、浮ついた事全部を放り投げ棄てて呉れるのに、あとは私に何が出来るって言うんです。
そしたらね、白澤さん。それってレスポンデント条件付けだと思いませんか。私の存在、私と顔を合せるという特定条件に対する自律的反射によって、彼自身の、楽しくないだとか、楽しめないだとかいう感情を引き起こして其れが密着するというもの。あれです、ベッドに入って眠れないという体験を繰り返すことによって不眠が巻き起こされるというあれです。私の顔を見ると楽しかった体験を楽しかったと言えなくなる。私の顔を見ると、苦しまなければならないんだ、もっと頑張らなければならないんだと背を向けて走り出して行ってしまう。相手と癒着しすぎたのでしょうね。気付いたときには私も、彼のその性質と感情の仕組みが伝染してしまっていて、なあんにも楽しくなくなってしまっていたたんですよ。
筆を持てば彼は悲しむから文字を棄てた。
固形の墨でばれないように紙に痕をつけた文字綴りも駄目だと言う。棄てた。
彼の為の体になりました。彼の為の性格になりました。
どうすれば満足するのか、どうしたら幸せに出来るのか分からなかったから、私、必死だったんです。
彼が外で笑えるようになったら今度は私に生きろと言う。でもねえ、私、とうの昔に死んでるんですよ。そして、また全部諦めてそうやって死んだんですよ。
おなかへってたんです、私。
自分の文字で満たすしかなかった。でも、自分の自分のための文字さえも、考え方も駄目だって制限されたら私、霞を食うしかないでしょう。
霞を食って神様のような顔を為て居たら、体温がなくてつまらない、そんなものくだらないし生きて居るとは言えないと言われてはどうしようもない。
もう、体はなんにも受け付けないんです。何を食べたら吐かずに私は消化して熱に出来るか分からない。もうハラぁいっぱいだと、あとは消えれば好いんですかね。
じゃあ私が居なくなれば好いんだろうと思ったら、それも駄目だと言う。
もう駄目になってしまっていて、先もうしろも見えやしない。
許せなかったんです。
それから私、もう、立ち上がれなかったんです。
全力だったんですから。
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