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┗かむろひの(52-61/61)

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61 :に/っ/か/り/青/江(刀/剣/乱/舞)
2016/08/21(日) 18:33

ある夏の日、一振りの刀が折れた。
長く近侍の任についていた、体の大きな御/神/刀だ。
 
折れてしまったというよりは、自分で自分の存在を完結させようとしていたのかも知れない。江/雪/左/文/字は、そんな彼をどこか悲しげに見つめていた。歌/仙/兼/定は遣る瀬無さを隠さず壁を打ち、小/狐/丸はただ何も言わずに同派の姿を見ていた。
 
「       」
 
彼が最後に何を言おうとしていたのかは分からないけれど、きっと別れの言葉の類ではないのだろうと思う。いつでも、あの場所へ行けば彼に会う事は出来る。ただ、恐らく…ほぼ確実に、僕の知る彼ではないだろう。
 
これからこの本/丸はどうなって行くのかな。僕は変わらず、屋根の上から眺めさせて貰うよ。…何せ、僕は「いないもの」だからね。……フフ。
 
 
 
 
君の自由帳の役割は終わったのかな?
消えてしまったその意味が、君が悲しみを吐き出す必要のない幸福を掴んだから…だと良いと思うよ。
約束、果たせなくてごめんね。またいつか会えた時には、僕の土産話をしてあげよう。

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60 :に/っ/か/り/青/江(刀/剣/乱/舞)
2016/03/14(月) 04:42

戦で重傷を負って、どうやら手入れ部屋に運び込まれたらしい。目を開けたら見慣れた木目の天井があった。打ち粉の香りが鼻を突く。

節々が痛む。何とか腕を持ち上げてみると、まだ手入れ中なのか派手に傷が残っていた。指を動かすにも、瞬きをするにも、息をするにも痛む。動くのが億劫になって、僕は起き上がるのを諦めた。
ふと視線を感じて脇に目をやると、桔梗…菫、竜胆…まあ何でも良いけれど、感情を映さない紫色の瞳が僕を見下ろしていた。僕が目覚めたのに気付くと、硝子のような紫を薄い笑みの形が縁取る。
ああよかった、めがさめたんだね。なかなかおきないからしんぱいしたよ。そう唇が動いたのを読み取った。何故か声が聞こえない。
審神者や彼の言葉を借りれば、大きな傷を負って、霊力が感覚器官まで行き渡っていないんだろう。

僕は前衛、彼は後衛。僕は彼ら大太刀に比べれば吹けば飛ぶような体で、けれどその分足も速いし、目も耳も良い。真っ先に敵に斬り込んでいくのが僕の役割だった。
いつものように敵の気配を探り、その偵察の結果が正しいと皆に確認をして貰ってから飛び出した。飛び掛かって来る敵短刀を斬り払い、味方の陣営を確認する。いつも通りに戦って、何時も通りに帰還する、はずだった。
最後の一体へ向け刀を振り翳した瞬間、青白い稲光が僕の頭上で瞬いて「いけません、検/非/違/使です!」という前/田くんの悲鳴を聞いた。次の瞬間、大きなもので頭を思い切りぶん殴られて――気付いたら手入れ部屋にいた。思い出すだけ無駄だったかな……けれど、僕の耳が聞こえない理由だけは解明する事が出来た。鼓膜が破れてしまったんだね、あーあ。

部隊は撤退したんだろうか。気になって尋ねてみると、彼は「何とか敵部隊を退ける事は出来た」と言った。声を出すにも喉が痛んで、ため息が出た。
不意に視界が陰って、額に柔らかな何かが置かれた。見ると、彼の掌のようだった。その口許が何事か動く。…この言葉の並びは知っている。祝詞だった。
君は僕が神剣になれないと知っていて、こんな事をするんだね。ああ、けれど――何故か酷く安堵してしまって、僕は瞼を閉じた。僕の額を優しく撫でて、彼の手が離れる。体を蝕む痛みを浚うように、眠気が押し寄せて来た。

「おやすみ、青/江」

そう聞こえたのは、夢か現実か。
まあ、そんな事はどうでも良いんだけどね。

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59 :石/切/丸(刀/剣/乱/舞)
2016/03/04(金) 09:03

雪は、もう融けたかな。
 
次はどこへ行こうか。じき、桜も咲くね。
 
 
>----
 
長い髪から、普段は見えない紅色の瞳が覗いている。傷が深い。私も彼の事を言えない程に負傷しているが……身軽故の小柄な体躯、彼の方が消耗は激しいだろう。
私が見ているのに気付いた彼の口許が、誤魔化すように弧を描き笑みの形を作った。
 
>----
 
万屋。品揃えのよいそこへは、割合よく足を運んでいる。近侍になってからは殊更、主のお付きとして訪れる事が増えた。
化粧の紅が切れてしまったのでそういった品が並んでいる棚を見ていると、ふと視線を感じた。小/狐/丸が戸惑った、渋い顔をしている。
「どうしたのかな、小/狐/丸」
「…石/切/丸よ。おなごになりたいのならば、桃色の方が良いのではと存じますが」
違う、そうじゃない。
 
>----
 
霊力の衰えを感じる。任務に身を窶し心を亡くした故か、禊を怠っていたからか……夜の冷えた空気の中で肩を落として溜息を吐いた。
「……石/切/丸?」
「おや……情けない所を見られてしまったかな、歌/仙」
「情けないとは思わないな。まっさらな、生命のない雪ばかりを見ていては気も滅入るだろう」
歌/仙が不遜な態度で腕を組む。藤色の髪が揺れて篝火に照らされる。
「心を亡くすとは、君らしくない。節度が一番というのはどこへ行ったんだい」
その通りだ。すっかり人の形に馴染んでしまった掌を見下ろして、ゆっくりと指を握り込む。
「そうだね。私自身がそれを忘れてしまうとは……御/神/刀として問題だな」
「そうでなくては」
歌/仙が笑う。私がつられて気を抜いて笑うと、彼はひらりも外套を翻して長屋へ戻って行った。

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58 :石/切/丸(刀/剣/乱/舞)
2016/01/29(金) 21:36

巡り繰り返すものを断ち切る事。
輪廻転生という価値観は我々にはなく、ただ、御霊となり記憶にのみ生きる存在となる。
 
誰の記憶からも消え去ってしまった時、神は、我々は、存在の意味を失うんだ。
 
案外、次など無い方が良いのかも知れないよ。
 
 
私が声を掛けた「ふた振り目」の彼は、私の記憶と全く違わない顔で、長い髪の下のかんばせに笑顔を貼り付けた。

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57 :今/剣(刀/剣/乱/舞)
2016/01/19(火) 09:27

かみのまえにけんびされ、しんざにすわることをゆるされたおおたちは、いったいどんなめをしているの。
 
いくさのかたなではない、と。かれは、わらいながらいいました。
かつてのあるじをやまいでうしなったかたなが、やまいをいやすちからをてにいれてしまった。どれほどのここちなんでしょうか。
 
>人々に望まれたものなんだ。私の意思とは、関係のないところの話だよ。
 
…そういうものなんでしょうか。
 
 
んんん……やまいでうしなった、というよりは…やまいにまけてしまって、はくちゅうのかわらに、ひきたてられてしまった…がただしいですね。
あそこは、ろくじょうの。

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56 :に/っ/か/り/青/江(刀/剣/乱/舞)
2016/01/18(月) 02:27

細かい所までついつい見てしまうのは、少しばかり拘りが強過ぎるから。
自分が大した刀じゃないと知りつつもあれそれと求めてしまうとは……贅沢なものだと思うよ、我ながらね。
 
恵まれたものには感謝するべきだ、そうだろう?
……なんてね。そんな事を考えた夜だったよ。目まぐるしい日々にも、案外転がっているものだね。フフ。

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55 :石/切/丸(刀/剣/乱/舞)
2016/01/01(金) 00:40

本年が良いものであるよう、加持祈祷をしておこうか。
本丸の皆の健康と、幸せを。
 
 
 
 

>>>>
 
結局どれだけ構えても、なるようにしかならないものだ。胃や胸を痛めることは多々あったけれど、誰もが肯定するやり方などありはしない。
だから私は、私が思うままに振る舞うことに決めたよ。

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54 :今/剣(刀/剣/乱/舞)
2015/12/31(木) 02:34

おやすみなさーい!
 
 
>> 1/5
 
 はっ!いつのまにか、としがあけていました!
あけましておめでとうございます、ほんねんもよろしくおねがいもうしあげます。…えへへ、どうだ!じょうずにいえたでしょう!
 
あらためて、せんじつはおそくまでありがとうございました。あたたかなへやで、のんびりとすごせてたのしかったですよー!また、じかんがあうときに、あそんでくれるとうれしいなぁ。ふふふ。こんどは、ぼくのへやにでもきますか?あの、かみのかたなのところでもいいですよ!
 
ことしは、だんとう?あたたかい、ふゆなのだとききました。しもは、ぼくがおきるころには、ほとんどたいようのひかりでとけてしまっています。
ゆきがふるのは、いつでしょう。
ゆきがふったあとは、さくらがさいて、また、あのしんりょくのきせつがやってきます。
ふふ、あらためて、ふしぎなえんですね。
 
>>>
 
じかんをわけてもらえる、というのはありがたくもあり、しあわせでもあり。ぼくが、ほんまるのそとにでなければ、あのじかんはなかったんだから……ううん、こういうのは、なんていうんだろう。
ひとちがいからはじまる、えにしもあるんですね。えへへ。

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53 :に/っ/か/り/青/江(刀/剣/乱/舞)
2015/12/29(火) 01:51


 
>>
 
僕が本丸に顕現されて、季節が二回程変わった。その間の七、八ヶ月程は殆ど変わらず、同じ仲間と過ごしているんだ。なかなかあたたかくて、良い所だよ。
そろそろ本丸の大掃除をしないとね。
 
 
そうそう、文が届いているよ。
>>52
 
 
>>>>
 
 
何度も何度も繰り返して、決して終わらない、終わりが見えない。数え切れない程刀を振るって、数え切れない程敵を斬り倒して。帰って傷を癒して、ひとの真似事をしてまた戦。力は付くけれど、終わりはしない。
武器としての本分って何だい?ああ…僕の考えを探って欲しいわけじゃないんだ。君の考えを聞かせて欲しい。
ずっと鳥居の向こうにいて、汚い事なんて何も知りませんという顔をした君にこそ教えて欲しいんだ。
神様みたいな顔をした、いくさの道具の君に。

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52 :一/期/一/振(刀/剣/乱/舞)
2015/12/24(木) 15:19

出口のない感情を喉と肺腑の内に込め、いつも通りに笑うのです。そうすればきっと、誰かが不安になる事もありますまい。
 
 
本日は、後/藤と手合わせをいたしました。弟とはいえ手抜きはしませんが…やはり厚や薬/研に比べて手数も、力強さもまだまだ劣る。
顕現して間もないとはいえ、普段の鍛錬を怠ってはいけないよ。
後/藤はしゅんとした様子でしたが、「けれどよく頑張ったね」と頭を撫でると、少し照れ臭そうにそっぽを向いて笑いました。やはり、私の可愛い自慢の弟です。
 
>>>
 
本年の内にもう一度、お会いしたいものですな。
なかなか慌ただしい時期ではありますが。
 
>>>> 12/29
 
年の瀬とはいえ、いつかは落ち着くもの。私の方は大方の任務を終え、すっかり身を落ち着け…られるのでしょうか。相変わらず、弟達の面倒を見る日々を過ごしておりますが。
 
明日は空いているのですが、日中に時間が出来るかは分からんのです。夜ならば空いているのですが。もしもご都合がよろしくないという事でしたら、またの機会によろしくお願い申し上げる。
 
どこかへ出掛けるでも、お互いの事を話すでも良いですな。ゆっくりとお話させて頂きたいものです。
 
 
>>> 12/30
いえ、お気になさらず…そんな、申し訳ありませんので。しかしながら、お心遣い感謝いたします。
私の方ですが、恐らく21時頃からでしたら体が空くかと。年の瀬という事ですから、催しのようにはしゃぐ子を無理に寝かし付けるのも今は野暮というもの……と、三/日/月殿からうかがいましたが。…そも、あの方はやや子の扱いをご存知なのでしょうか。
 
では…その時は、下町で見付けた上等な茶菓子をお持ち致します。

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52 :一/期/一/振(刀/剣/乱/舞)
2015/12/24(木) 15:19

出口のない感情を喉と肺腑の内に込め、いつも通りに笑うのです。そうすればきっと、誰かが不安になる事もありますまい。
 
 
本日は、後/藤と手合わせをいたしました。弟とはいえ手抜きはしませんが…やはり厚や薬/研に比べて手数も、力強さもまだまだ劣る。
顕現して間もないとはいえ、普段の鍛錬を怠ってはいけないよ。
後/藤はしゅんとした様子でしたが、「けれどよく頑張ったね」と頭を撫でると、少し照れ臭そうにそっぽを向いて笑いました。やはり、私の可愛い自慢の弟です。
 
>>>
 
本年の内にもう一度、お会いしたいものですな。
なかなか慌ただしい時期ではありますが。
 
>>>> 12/29
 
年の瀬とはいえ、いつかは落ち着くもの。私の方は大方の任務を終え、すっかり身を落ち着け…られるのでしょうか。相変わらず、弟達の面倒を見る日々を過ごしておりますが。
 
明日は空いているのですが、日中に時間が出来るかは分からんのです。夜ならば空いているのですが。もしもご都合がよろしくないという事でしたら、またの機会によろしくお願い申し上げる。
 
どこかへ出掛けるでも、お互いの事を話すでも良いですな。ゆっくりとお話させて頂きたいものです。
 
 
>>> 12/30
いえ、お気になさらず…そんな、申し訳ありませんので。しかしながら、お心遣い感謝いたします。
私の方ですが、恐らく21時頃からでしたら体が空くかと。年の瀬という事ですから、催しのようにはしゃぐ子を無理に寝かし付けるのも今は野暮というもの……と、三/日/月殿からうかがいましたが。…そも、あの方はやや子の扱いをご存知なのでしょうか。
 
では…その時は、下町で見付けた上等な茶菓子をお持ち致します。