渋い顔で頭痛に耐えてたシーザーがようやくのそのそシャワーを浴びに行ったんで、戻ってくるまで独寝の夜。最近はシーザーと部屋で過ごすようになって丸っと一年が経ったから“去年の今頃”何してた、ってのが分かるようになったのが面白くってこうして一人になると時々記録を遡っている。
そんな今日はシーザーが大真面目な顔でもしも自分がサキュバスちゃんだったらこんな振る舞いがしたい、って話をしだしておれがゲラゲラ笑った日だ。こりゃあもうサキュバス記念日と言って差し支えないだろ。生憎サキュバスプレイはto doリストに並んだまま。時間が幾らあっても足んねーな？

しっかし、こうも色褪せない気持ちをぶつけられんのって初めてかもなァ……。こんなに変わらないもんかね。改めて驚いてはしみじみ、得難いモンだなーって？対しておれはロクでもなかったが、ちょびっと優しくなれてっかなー？

デスクワークに飽きて休憩がてらちょいちょいっと調べてたが。
占いだの、診断系だの、ティーンの間で流行ってそうなアレソレをおれ達アラサーのオッサンも時々こっそり楽しんでるワケだが、あいっかわらず何やっても相性めちゃくちゃ良くて笑っちまった。生まれ年とやらも含めてグンバツにイイらしいぜ？そんなに入れ込む程信じてるワケじゃあねーが、確かになァ、イイ気分で過ごせてるよなァ、とウンウン頷くくらいは楽しい。

# 0:24
ア〜…これはなんとなく絶賛眠れねータイムの到来か。目を閉じて、やれアレしねーとコレしねーと、が巡り始めてダメなパターン。眠んなきゃって時程目が冴えてくるから困っちゃう。

たっぷりハグしてくれたシーザーは隣で速攻グースカピースカしてらン。コイツ寝んのマッジで早ェの。目離してる隙に寝る。あ、責めてんじゃあないぜ？ただまァ、寝付くのに失敗したよーな夜はちょっと…そうね、恋しい？もう少し声聞いてたかったなー、とか、そんなん。朝起きたら謝って来そ〜、要らねーからな！？起きてる間は許してくれねーほっぺでも摘んで…と、ところがどっこい起きてたとしてもシーザーがおれに許さねえ場所などないのだよワ◯ソンくん。こないだは帰宅するなり「おれはイイ匂いがするんだ」ってすげードヤ顔で胸張って言ってたの笑ったなァ。妖精さんか何かァ？──とか何とか言ってたらシーザーが殆ど寝てる目でムニャムニャしだした。おーヨチヨチ。ネンネンコロリ♪あんまし騒がしくしちゃあダーリンの隈が酷くなっちまう。さ、ネンネネンネー。

シーザーと過ごすようンなって一年が経って、マルクと長いコト茶をしばいてなかなか帰って来ねえダーリン不在の時間に去年の今頃何してたっけなァって見返してみた。ら、今よりちょっぴりだけどシーザーの顔がキリッとしてて、元気で生意気な返事を寄越して来ててちょっと笑った。元気なのは今も変わんねーけどな。この頃シーザーは体調崩して有休取って、そんで少し身体の具合が落ち着いた隙にせっせと拵えたプレイリストを初めて贈られた日だったらしい。アレ嬉しかったなー。50曲選んで多すぎるからって厳選した渋い名盤から比較的新めのまで濃厚なロックを集めたリストでさ？よく聴いてた。今でも聴くし、映画や街中で偶々流れて来たのを聴くと「おっ、シーザーがくれたヤツだ」と思う。ちょうど今日も飯食いに行った先でシーザーが教えてくれた洒落た一曲がかかってたのも何だかタイムリーだったな。いかんせん曲数は最終的に100を軽く超えたんでタイトルまでは覚え切れてねぇんだが、それでも耳は覚えてくれてるよーで自然と職場を……………、そう、やる気の出ない仕事中にかけて何とか自分を奮い立たせんのに使ってたからオシゴトのヴィジョンが付き纏うようになったのはちょっぴり失策だった。目覚ましに設定した曲聴くとゲンナリしちゃう、みてーな。ま、有難いコトに好みの曲ばっかで流石に気を落とすコトはねえから安心してちょーだい。驚くべきはまだオツキアイすらしてなかったおれに愛情たっぷりのリストを贈ってさらっと文末に「愛してる」とか添えやがっているコトだ。真っ直ぐストレートにコマシている。……この場合コマされたのはおれか。

空の話。

ギネスに挑戦する記念すべきコンサートがあるってんで、シーザーもケツをはみ出させたまま慌てて風呂から上がってなんとか会場に向かう。何の不具合か、入場のタイミングがずれちまっておれとシーザーの座席の間に仲良しそうな二人が挟まり、おれたちはポツネンとする羽目に。ゴメン。曲の合間に座席に視点が戻る度に離れてポツンと座るおれとシーザーのビミョーな空気感。マジでゴメン。寂しかったのはお互い様だ。それでも演出、凄かったァ！あの歌声もいい。優しい音色に乗った愛溢れる声に何となくシーザーを思い出していた。曲が流れる度、やれ魚やらクラゲやら、チョウチョやら鳥やらになって動き回んのも楽しかった。身体は全然言うコト聞いてくんなかったが。情けない声を上げる度に少し遠くにいるシーザーの姿が見えて、かと思えば有象無象に埋もれて見失いかけ、近寄ろうにもままならない身体に若干モヤモヤが募る。それでもふと気付くとシーザーの手を取るコトが出来て、光に埋もれるように飛んでシーザーがいつかボロ泣きしてたあの日を思い出す。そろそろまた暴風域の奥にも行かねーとなァ…。コンサートが終わってからも賑わいの残る会場をしばらく飛び回って、たくさんハグをして、写真も撮って楽しかったなー。シーザーの撮った自撮りでそっぽ向きまくってゴメン、でもアレはおれの所為じゃあねえ…！兎にも角にも、こうしてワールドレコードの一部になって、思い出らしい思い出になった気がする。最近めっきり飛べてなかったから久々に向こうで会えたのも嬉しかった。日記！

シーザーは睡魔に弱い。毎日ちゃあんと早起きして、一生懸命ガンバって、漸く眠りに就ける頃には恵まれた身体をもってしても結構ヘトヘトになっちまうんだろうから無理もない。辛うじておやすみを言えるかどうかってところですぐに寝息を立て始める、から、おれがボヤボヤと帳面を開く時は大体オネンネしているおかげでシーザーの寝顔レポみてーな日記ばかりに…。おれはと言えば、いざ寝ようと目を閉じると却って目が覚めちまう。寝付くのはあまり得意じゃなくて、身動ぐシーザーをもっかい抱き締め直したりして過ごしてる。またフア〜、ってなってんのかな。夢の中でそうなってたらいい。こうしてると昔貰ったデカいテディベアみてーだ。随分とムキムキになっちまったが。コロンでもない、ちょっといい匂いの石鹸の香りにシーザーの匂いが混じる。他所行きの香りよりもこっちのが好みだなァ、おれ……。話してる間は気付かなかったが、息を潜めていると窓を打つ雨の音が聞こえる。心なしかしんみりしてきちゃう！雨も夜も、並んで入ったベッドの中では敵いっこない。ゆっくりした呼吸と、背中を撫でる手に伝わる心音は温かい。声や気配に色があったらきっと暖色だろうな。瞼の奥に隠れた瞳が追いかける夢がステキなもんでありますよーに。おやすみ。