クリスマスが待ち遠しいなんて子供みたいだ、と誰かがいったけど、クリスマスを待ち遠しく思うような子供時代じゃなかったから、ぼんやりと居心地の悪さを感じている。サンタなんていないと知ったのはいつだろう。クリスマスを疎ましく思っていたのはいつのことだったろう。やりたくもないサンタ役を押し付けられて、12月はいつも居心地が悪かった。母親の忙しさは激しくなる一方、食費も光熱費も高くなるばかりなのにやりくりするお金はいつも同じだし、贅沢してなくてもいつもカツカツになる家計で、それなのにプレゼントなんて。妹たちの喜ぶようなプレゼント、ケーキ、ごちそう。そんなものを買う余裕なんて全然ないのに……泣きそうになることは何度もあった。それでも泣けなかった。小さな妹が二人いたから。
妹たちがある程度大きくなって、うまく抜け出す術を覚えてからも冬はなんだか頼りなかった。押しつぶされそうな責任感からいつも逃げ出したいのに、小さな4つの手を裏切れなくていつもできるだけいいお兄ちゃんを演じてた。だからあの冬の雪の日、共犯者を見つけたようで少しだけ嬉しかった……と言ったら笑われんのかな。あのとき全力でぶち当たったのはマジでキレたのもあるけど……ほんとにぶん殴りたかったのは誰なんだろうな。
うまいこと飾り付けたら結構可愛くできで楽しかった。フルーツをたくさん買ってきて、半分くらい我流で妹たちと作った。たまにはこういうのもいいな〜なんて。今年のクリスマスはみんなで集まれなさそうだったから、母親もちょうど帰って来るしってちょっとしたクリスマスパーティ……みたいなことをしたんだ。プレゼントも用意したりしてね。あー……母親の、彼氏…つうか、再婚相手?からもプレゼントもらって、なんか変な感じだったけど……まあ、楽しくやってたよ。
ケーキなかなかうまくできたからおすそ分けに写メ送っとく。今度タイタイにも作ってあげるよ〜だってさ。
キーワードはズコットケーキの「ず」。21日のキーワードな。