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3 :山／姥／切／国／広（刀／剣／乱／舞）
2023/03/20(月) 00:08

衝動的に新しい帳面を求めたのは、やはり状態が良くないからで、それは朝から忙しかったからでも、明日からまた出陣が続く日々が憂鬱だからでもなく、原因はよく分からない。
こういう状態の時は決まって些細な言葉が気になってひどく落ち込んでしまう。
……普通の刀なら、きっと嬉しい言葉なのだろう。でも俺は普通じゃない。何故だかその一言が、強く爪を立てられて引っ掻かれたような気持ちにさせるのは、己には全く相応しくないと思っているからかもしれない。
大切だなんて、言ってもらえるような存在ではないと、本当は面と向かって言えたら良いのに、長義の気持ちを否定するのは嫌で言えなかった。だが嫌だ。凄く嫌だ。理由が全く分からないしそんなの嘘だおかしいと思ってしまう自分が大嫌いだし消えてしまいたい。
俺はただ、長義を愛でたり甘やかしたりするのが好きなだけで、別に愛されたり大事にされたいなんてちっとも思っていないんだ。だからそんな事言わないで欲しいのに、この先ずっと叶わぬ願いなのだと思うと途方に暮れてしまう。……それでも、俺があいつを好きで離れられないのだから、滑稽過ぎて笑ってしまうな。それにしても、俺の頭がおかしいのは長義も承知しているはずなんだが、どうしてまたこんなのが良いのか本当に不思議でしょうがない。

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