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┗1176.緞帳裏の星(255-259/278)

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259 :エメトセルク
2024/08/05(月) 10:07




ヒュトロダエウスは何かと私に一口を与えようとしてくる。

私はどちらかというと偏食気味な方で、それなりに栄養がとれていればバランスはさほど重視していないタイプだ。
ヒュトロダエウスは逆に様々なものを口にするタイプだ。栄養バランスを考えているわけではないが、気になったものは興味本位で手にとる。よく新しく考案された食品なんかを選んで食べているのがいい例だな。創造物管理局局長のさがなのかもしれないが。
そしてヒュトロダエウスが選ぶものは基本的にはずれることがない。なんでもかんでも手を出しているように見えてきちんと視ているのだろう。私と好みが近いのもあり、ヒュトロダエウスから一口もらうときはだいたい「うまい」という感想になる。
だからだろうか、やたらと私に一口を与えたがる。昨日、なぜそんなに頻繁に私と食べ物を共有したがるのかと聞いたら「エメトセルクは放っておいたら食べるものがかぎられてくるからね、ワタシがその手伝いをしてあげたいのさ」「貴重な経験にもなるだろう?」と返ってきた。やれやれ、もう子どもじゃないんだが……あいつの中で時が止まってるんじゃないだろうな?

ヒュトロダエウスがくれる一口は絶対にはじめの一口だ。私が、一度誰かが口にしたものは食べたくないからだ。それは相手が恋人であろうと変わらない。それを知っているからヒュトロダエウスは一番はじめの、一番おいしい部分をくれる。しかも、うまいから絶対食べた方がいいと押し付けてくるのではなく、一口いるかい?と優しく聞いてくれる。……そういうところが好きだ。

あと最近好きだと思ったのは、いつものようにヒュトロダエウスに一口いるかと聞かれたとき。「いらん」と答えたんだが、改めてヒュトロダエウスが持っているものを見ると、割とうまそうに見えなくも……、……。
まあ、だが一度断った手前、やはり寄越せというのも品がないだろうと気にしないことにしたんだが……また「食べる?」と。
「……もらう」「フフフ、どうぞ」
すごいのは、この間あいつは一度も食べ物に手をつけていないことだ。ものの数分の出来事で大した時間ではないが、私が欲しがるであろうことを見抜いていたとしか思えん……。

子どものころは苦手だった一口が、ヒュトロダエウスと付き合うようになってからは好きなものに変わった。一口だけで味を知り、ヒュトロダエウスの想いや優しさを知れる。そんな小さなもので私の世界は大きく変わった。意外に一口、というのも侮れないな。




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258 :ヒュトロダエウス
2024/08/04(日) 07:00



エメトセルクと遠出をして海に出かけてから、やっぱりああいう旅っていいなぁと思うようになったよ。ここ最近は、管理局の仕事なんかも色々あってなかなか2人で出かけることができていなかったんだよね。旅なんて言っても、アゼムのように数日がかりとはいかない。行ってこれる場所はかぎられているんだけど、それでもワタシにとって、エメトセルクと2人きりで出かける時間は特別だ。

……もともと、ワタシはこんなふうに出かけていくのは少ない方だったんだ。旅なんていうのはせいぜい土産話を聞くくらいで、ワタシには向いていないと思っていた。いざというときに戦闘もできないしね。縁のないものだと半分諦めていたんだ。
あるころから、エメトセルクがアゼムの影響で各地を飛び回るようになって、彼から旅の話を聞くことが増えた。それだけじゃない。エメトセルクってばこともなげに言うんだよ、「お前も来い」だなんてさ!要は道案内が欲しいってことだったんだけど……フフフ、おかげさまで弓を構えるのにも慣れてきてしまったよ。
彼とともに旅をして、そこに棲む生物や自然を直接視て。高い塔のそびえるアーモロートももちろん好きだけど、そこから離れて、ワタシたちの日常とは違う場所に出かける。こういうふうに過ごすのが、案外ワタシは好きなんだなと思ったよ。それも、エメトセルクが隣にいるからだ。ひとりだけなら多分、ここまで魅力を感じない。綺麗な景色も面白い生き物も美味しい食事も、彼がいたからそれを認識できた。
フフッ……だってさ、エメトセルクってば、彼が出会うあらゆるすべてのものに全身全霊で感情を傾けるタイプなんだもの。美しい海や空や緑にいつまでも目を奪われて、見たことのない生物は「なんなんだコイツは」なんて言いながら熱心に観察して、初めて食べる料理の美味しさに言葉をなくしてみたりして。ひとつひとつの物事に真剣に向き合って感動してる親友を隣で見ていれば、誰だって感化されてしまうはずさ。

さて、次はどこへ行こうか?我らのアーテリスは素晴らしく広大だ。……お互い忙しい仕事の合間ではあるけど、エメトセルクの旅にこれからも少しだけ付き合わせてほしいな。




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257 :ヒュトロダエウス
2024/08/03(土) 19:05



カニっていう生き物、なんか気になるんだよね……。あの手の生物を創るのは別段流行っているってわけでもないんだけど。指先ほどの小さいサイズのものから、極限まで脚を長くした大型のものもいるし、体の色や生息地域なんかも結構バリエーションが創られていて、地味におもしろくてさ。この前見た小さいカニはハサミを動かす仕草がかわいくて、しばらく観察してしまったよ。こちらに気づくとすぐ隠れちゃうんだけど、じっとしてると、そーっと出てくるところとかも迂闊でかわいい。エメトセルクにはまったく理解できない魅力らしいんだけどね。あ、そうそう、ずいぶん前に「お前……カニをむくのがうまそうだな……」と評されたことがあったっけ。最近その機会に恵まれてね、調理したカニを丸ごと解体したんだけどすごく面白かったよ!エメトセルクもけっこう好きな味だったみたいだ。フフ……彼、食の好みに関して気に入るものは多くないんだけど、気に入ったものはとことん気に入る性質だから、きっとまた機会があるかもしれないね。今度はもう少し大きいサイズのやつとかトゲトゲしいやつとかも触ってみたいなぁ……楽しみにしておこう。





なんだか近頃、冒険の話題がよく上がるようになっているみたいで嬉しいね。フフフ……彼らの旅を覗き見るのをエメトセルクもひっそり愉しみにしているみたいだ。もちろんワタシもね!よかったらまた旅の便りを綴っておくれ。キミたちの物語が素晴らしいものであることをアーモロートから祈っているよ。




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256 :エメトセルク
2024/08/02(金) 11:23




私はずっと感想を待っているぞという圧をここでかけておく。

私はつい最近まさにその貝60個に連なる諸々を終えたところだ……心はギリギリ折れなかったが、釣り竿は折った。次は監獄……なのか……。
なぜかそう難易度の高くない場所で足止めをくらい、何度も通うハメになったが……先日ようやく釣り上げることができた。二度と逆らうなよ。

>Lemonの公安へ見えてもいないのに私信を投げる所業
本当に進むのが早いな……楽しめているようで何よりだが。奴が出てきたところで「もう読めるのでは??」となるのは少し考えてはいたが、優秀な恋人が止めてくれたようだな。そろそろ頭についた葉も落ちるころだろうが……いや、もう落ちたか?とにかく、まだしばらくは遠くから見守らせてもらうとしよう。あと一生一緒にラハブレアが気になりすぎるんだが?


しばらく天気のよくない日が続いていたが、そろそろ晴れの日も増えてきそうだな。またヒュトロダエウスと出かけるのも悪くないだろう。
昨日も久しぶりに山と海へ行ってきたんだが、この時期はすべてのものが鮮やかに見える。陽に照らされ、森の香りもいつもより強く感じられた。私たちを覆うように生い茂る木々たちはどこまでも続くのではないかとさえ思えるが、途中から急に視界が開けて海が見えるんだ。
波は穏やかで、日差しこそあるものの潮風のおかげで過ごしやすい。この時期にしては珍しく人もまばらにしかいなかった。まあ、もともと人気の少ない海ではあるが。
ヒュトロダエウスは近くにいたカニを真剣に観察していて、時折私の方を振り返っては愛しそうに笑っていた。
私はといえば、そんなヒュトロダエウスを眺めつつ音をずっと聴いていた。遠くから聞こえるセミの声や波の音、波打ち際の海水が岩場でたゆたう音……すべてが心地よい。
そんなふうに過ごしていると時間はあっという間に過ぎ、気づけば太陽が星空の幕を下ろしていた。日の沈む時間が、短くなっていく。もうすぐ夜がくる。
帰りも山の中を通ったが、昼でさえ日の光を遮り、薄暗かったそこは夜になると真っ暗だった。無論エーテルの方を視れば安全性は確保できるからな、それは問題ないんだが……イノシシの親子が出てきたのには驚かされた。もう少しよく見てみたかった気もするが……あまり野生の生き物に接触するのもよくないだろうからな、さっさと通り過ぎることにした。

生き物の遭遇率が高い気がするな……まあ、よく行く場所が場所だからなんだろうが。なんにせよいい一日だった。
帰り道、星が綺麗でずっと気になっていたんだ。次に出かけるのは夜だな。




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255 :ヒュトロダエウス
2024/08/01(木) 14:30



少し前に、エメトセルクお気に入りの海辺に出かけてきたんだ。またなにか面白い生き物に出会えるかなと楽しみにしていたものの、その日の浜辺は静かだった。そこに残るエーテルを視る限り、なにかいることは間違いないのだけれど、ワタシたちが訪れたことで隠れてしまったのかもしれないね。……フフフ、楽しみにしていたのはエメトセルクも同じだろう。巣穴らしきものや足跡の痕跡は確認できたから、近いうちにまた彼を誘って出かけてみるとするよ。
日差しのある日だったけれど気持ちのいい風が吹いていた。せっかくだから、海辺を少し散歩しようってことになってね。ローブの裾が濡れないようにしながら波打ち際を裸足で歩いてみたのさ。もちろんエメトセルクにも付き合ってもらったとも!ため息をついて眉間を押さえていたけど、ワタシが彼のローブも濡れないように結んでしまったらさすがに諦めて付き合う気になってくれたようだ。律儀なんだよねぇ、フフフ。
海辺に立つ彼を見るのがワタシは好きでね。どういうわけか、海の景色の中にいる彼はその色がいっそう際立つように感じるんだよ。アーモロートの街の一角も、緑の濃い森の小道も、夜空の見える開けた丘も、そこに彼が立てばそれだけでワタシにとっては特別な場所なんだけど、それでもさ。
……彼が海辺を訪れることを好んでいるからなのかな。以前、海を眺めながら話したことがある。繰り返す波を見ていると不思議な気持ちになるらしい。頭の中で考えていることがすべて小さなものに思えるようだとエメトセルクは言った。計り知れない大きなものにふれるとき、瞳の金色が、ことさら透き通って輝いて見える。あどけない素直さと、祈りを捧げ畏れるような敬虔さが、彼の瞳には在る。……きっとワタシはそんな彼が好きなんだろう。




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