偶に有るんだよな。こういう、目ぇ覚めた瞬間からめでための花畑脳になっちまってる日が。そこそこの時間を共有すると興味が失せてくるだの、マンネリだの…倦怠期？とかってモンの存在は屡々耳にしてきた。が、だ。好きで堪らねえと思うのに思ってる程にはぶつけきれちゃいない気がして腹の辺りをモヤモヤさせてる俺にしてみれば、そんなんは最早都市伝説でしかねえ。ぱっつんぱっつんの此処にはきっと、たらふく食った朝飯と一緒に溶けて煮え滾るキャラメルみてぇな何かが渦巻いてる。捕食者面しやがって。今すぐテメーの喉笛に食らい付いて、どっちが捕まってるのか思い知らせてやろうか。

……と、此処まで綴った今俺の脳内に浮かんでやがるのが何かと言えば、つい何日か前、単位欲しさに凸った占星術で出た“自惚れに注意”とかいう舐めた結果と、何かで読んだ“人はされたいようにする”って一文でな。寂しかったのは案外、お前の方だったんじゃねぇかと。降って湧いた都合の良い考えに期待しつつ、すぐそこに見えてきた睡魔の野郎を捕まえることにする。…くちゃくちゃに甘やかして、なんかもう駄目にしてやりてぇ。

>で。
これだけぐるっぐるに布団で巻いてりゃ何処へも行けねえだろうスヤスヤピーのト／カ／ゲ巻きを肴にまったり飲んでる訳だが、段々気分が良くなってきた…♡ ……少しだけ、甘えた話をする。
……不安は無ぇ。不満も無ぇ。お前はどうやら嘘の吐けねぇ生き物らしいからな。仮に飽きてるなら先ずこうも頻繁に姿は見せねえ筈だってのが観察云日目の見解で、したいようにして当たり前に帰るのが俺の隣だって事には寧ろ嬉しさを覚える。もし万が一、俺が寂しがる日が来るとすればだ。それは多分お前が…今朝みてぇには気に留めてくれなくなっちまった時なんじゃねぇか。

あいつは俺をヨチヨチ歩きのガキか、或いは目ぇ離すと死ぬ寂しがり猫ちゃんだとでも思ってるのか？お忘れかもしれねぇがこちとら成人した男だぞ。時々ちょっと恋しかったり抱き締めるモンが欲しかったりするだけで、この程度の留守番なんぞ余裕だ、ヨユー。…こうして何だかんだと気に掛けてせっせと顔見せにくる、ツノが生えたマメで可愛いのも居るしな。

🍹

留守番してると寝室から一歩も出たくねえ病を発症しちまうもんで、割り材を取りに行くのがクッソ怠い。……あ？屋敷しもべか？何か昔の同僚の親戚が婚姻するとかで今夜は暇くれっつってきてたぞ。つーか、コイツはストレートが一番美味ぇんだよ。大人しく一杯にしておいてやるからそれで手打ちにしとけ。

あの鈍いのか鋭いのかはっきりしねえ妖精は時々、俺とほぼほぼ同じ答えを口にする。聞く度に、考える為の材料も思考回路もてんで違うだろうにそれでもそうなるのは根底に同じモンが有るからだ、なんて都合良く理解したくなって勝手に喜んじまうことを
……軽口なら即無限に湧いて出る癖に、いざ真っ新な…素直な気持ちとやらを口にしようとすれば言葉に詰まる意味やただそうなるのが俺だけじゃねぇって事実が嬉しくてしょうがねぇことを、
きっとまだあいつは知らねえ。何処のスケコマシだって台詞を恥ずかしげもなく吐いておいて、散々手慣れた風に触れておいて。
急に、年端もいかねぇガキみたいな。初めて恋を知った童貞みてぇな無器用さを見せる、そんな所が…俺は。