明後日の午後に時間がとれるかと、的場に聞かれた。
互いにバイトも大学の講義も重なっていない事は珍しい。
久々に2人で出掛けられそうだ。

シェアハウスでは、2人で居られる時間が少ない…ということはないが、その大体が曲作りで費やされる。

たまには何も考えずに
『ただの恋人』として過ごす時があってもいいよな。

さて、お前と何処へ行こう。
柄にもなく浮かれてしまっている自分がいる。

甘い自覚か…そういうのはなかったが、お互いにそうだと言うのだから面白いな。
俺はいつも思ったことを口にしているだけなんだが。それだけ、的場を好きだと思う瞬間が多いということだろう。
まぁ、ここで細かく掘り下げると、また怒らせてしまいそうだから止めておく。

お前と俺の見ている世界はきっと、大きく違っているけれど。
だからこそ、惹かれ合うのかもしれないな。

的場の言葉は、とても綺麗だ。
少しだけ、お前が見ている世界を見てみたい。

僕も書き込もうと思って覗いたら、桔梗が余計なこと言っててビックリした。……もう、ほんと恥ずかしいこと暴露するの止めてよね。
それに、別に甘い自覚はなかったんだけどな。
そろそろ徹夜生活が終わるから、そうしたらまた桔梗に何か作ってもらお。

突発的だが、こういう場所があってもいいんじゃないかと思い、日記を開設することになった。
お前から貰った大切な言葉は全部、零さずに記憶していたい。

的場は最近徹夜続きでしんどそうだ。
歌詞を仕上げているらしいが、最後の追い込みだろう。
今朝、俺の部屋に来て少し話をして、そのまま眠ってしまった。
何か役に立てればと、的場が前に美味いと言ってくれたサンドイッチを作ったんだが…なかなか良い食べっぷりだったから、そこは少し安心したな。こんなことで良ければ、いつでも何でもしてやるから。無理はするなよ。