2人きりで過ごした翌日、的場はあまり機嫌が良くない。
いや、この言い方は語弊があるな。
気恥ずかしく、俺と話にくい。といったところか。
今回は特に避けられているような気がして、その心の内を聞いてみることにしたんだが「どういう顔をして桔梗と話したらいいのかわからない」と。
俯いて、顔を赤くして言う的場が、とても可愛らしいと思った。

的場は、初めて会った時から俺にはよく怒っていた。
たまに怒っている理由が分からないこともあったが、的場という人間を知れば知るほど、これもある意味愛情表現の一部なのだと思った。だから、愛しい。愛しく思う。

そういえば、俺が怒ることはないのかと、以前的場に聞かれていたな。
俺だって、怒ることはあるさ。
1番許せないことは、的場を傷つけられること。Argonavisを傷つけられること。
ポーカーフェイスだと言われる俺も、これをされたらさすがに我慢ならないかもな。

随分と遅くなったが、俺たちの簡単な自己紹介を記載した。>>2
互いのことをどう思っているのか…改めて言葉にするのはなかなか照れくさいものだな。
的場の正直な気持ちを聞く事が出来て嬉しかった。

今日は生憎の悪天候だったが、ささやかな、楽しい出来事もあった。
それはまた後日に。

追記

別に僕だってカレーくらい食べられるよ。嫌いなわけじゃないし。
タルトの店に行けなかったのは少し残念だったけど、桔梗が一緒にいる間ずっと甘かったから十分過ぎるくらい糖分摂取したんだよ？

昨日は久し振りに喧嘩をした。
あ、でも喧嘩というか、僕が勝手に怒っていただけだったんだけど。
いつも桔梗はすぐに謝って僕の事抱き締めてくれる。昨日の喧嘩だって僕の勘違いだった部分もあったのに「すまない」って頭を撫でてくれるその手が、やっぱりすきなんだよね。
桔梗がこうして折れてくれるからこそいつもすぐに仲直り出来るんだろうけど。……そういえば、桔梗が怒ったところって見たことないかも。どういう時に怒ったりするんだろう。

週末はライブで慌ただしくもあったが、充実した2日間を過ごせた。

先日の的場とのデートも楽しかったな。
昼飯はどうするかという話になり、的場が
｢近くにカレー屋さんがあるよ。行く？｣と言ってくれた。カレーは俺の好物だから願っても無い提案だが、的場は辛いものが苦手だ。｢いいのか？｣と聞くと、｢甘口にするから大丈夫だよ｣と。
それなら、帰りに的場の好きなカフェでケーキを食べよう。と誘ったんだが、結局時間がなく寄れなかったのが残念だ。
次は必ず行こうな。

互いの好きなものは自分の苦手なもの、という、まさに正反対な俺たちだが。それを提案し合っていることに少しおかしくなって、笑ってしまった。

昨日は桔梗と出掛けてきた。
最近は新曲作りと時間に追われていてあまり羽を広げられなかったんだけど、久しぶりにゆっくり出来たのが良かったかな。

最近気が付いたんだけど、桔梗って二人で一緒にいる時絶対僕の手を握ってくるんだ。
だけど、急に手をとってくるから驚いていつも手を振り払っちゃうんだよね。
嫌なわけじゃなくて、ビックリしてなんだけど。
でも嫌がってるみたいに見えるから桔梗が嫌な気持ちになってないかなってちょっと不安に思うんだけど、いつも僕がそういうことをすると桔梗が嬉しそうに笑ってるのが不思議なんだ。
「何？」って聞いても「何でも」って言って頭を撫でて誤魔化される。
たまに桔梗が笑ってる理由が分からない……。