「俺は君の洗濯機になりたい。」
優しく、時に激しくきれいに洗い上げる愛の洗濯機に……と突然呟く赤井秀一。一瞬、本当にほんの一瞬だけ自分の夫に対してとうとう気が狂ったのか??なんて感想を抱いちゃったよ。だって洗濯機になりたがる人間なんて初めて見ましたもん。でもね、よくよく考えてみるとわからなくもないなあと思ったんですよね!赤井は何も本物の全自動洗濯機になりたがっているわけではなくて、比喩でああ言ってくれたんだ。「心の洗濯」なんていう言葉もたまに聞くようになりましたが…あれと似通ったものなんじゃないかなあと。疲れている時や心が荒んだ時はもちろん、一日朝から晩までがんばった身体を丸ごとぴかぴかにしてあげられるような、赤井専用の洗濯機になりたい。
#日記についてのあれこれ。
このページを書くと残りは36ページ!いよいよ終わりが見えてきましたね。今までに赤井と書いてきた日記はどれも大切にしまってあるけれど、最後まで書ききれそうなのって実は初めてのことなんだ。だからより嬉しさも倍増している気がします。なんだか感慨深いなあ、それだけ時間の使い方や日記との付き合い方がうまくなったということなのかもしれません。本棚に大切なこの一冊を置かせてもらっていることに感謝しつつ、この先も急がず焦らず、僕たちのペースで最後のページまで書ききれたらいいな。
僕は赤井がつくってくれるココアが大好きだ。猫舌の人はすぐに飲めないくらいに熱いので、甲斐甲斐しくカップに息を吹きかけてくれる横顔も含めてね。やわらかなチョコレート色がかわいくて、甘くて濃厚で…自分で淹れる紅茶やコーヒーとはまた違う、僕にとって特別な飲みもの。先日雪が降った日に作ってくれたんです。ただでさえおいしくて頬がとろけてしまいそうなのに、「寒い日のココアはとくべつおいしいな、零くん。」と笑いかけてくれる大切な恋人が隣にいてくれるからもっとおいしく感じる。僕にとって、たくさんの意味で魔法のココアなんだ。
ひさしぶりの庁舎に身が引き締まる思いがして、少し緊張すると呟いた朝のこと。赤井が言ってくれた「近所の子供たちにムーミンをばらまきに行くと思えば」という言葉がやたらとツボにはまって、しばらくにやけが収まらなかった話です。ムーミンをばらまきにいく。かわいいな。
「もしフロイドがすべったらふたりで転ぶことになりますね!?」
仰向けにいったらオレの頭守って、アズール。
地面が凍ってつるつる滑るようになったらって話してたんだけど、アズールはあんな感じだからさあ、オレがアズールを抱っこして移動した方がいーんじゃね?でもそう、オレが転んだらふたりまとめてすっ転ぶからかなりおもしれーことになんだよな。どうせならつるーんっ!!って思いっきり豪快に滑りてぇ~。抱っこしたまま仰向けでつるつるーってどっかに滑ってくの。途中でジェイドも回収しよ。
そうそう、雪!めちゃくちゃ降ったじゃん、積もるくらい!嬉しくてアズールといっぱい雪だるま作っちゃった。たこだるまとー、うつぼだるま二匹とー、あと人間体のオレらに似たやつ。小石拾って目にしたりさ。校舎の外で何個か作って部屋に持って帰ったんだけど、あいつら、あのまま校舎のそばに置いてたら立派な守護だるまになって崇められてたよねぇ。あー楽しかった!
フロイドは僕が目標を掲げるとどんなにちいさなことでもすごいね、えらいね、と褒めてくれる。昨日も「だれよりも近くでいちばん応援してるよ、アズール♡」と……いえ、少々甘やかされすぎている気が否めませんが当然悪い気がするわけもなく。実際に達成することができれば更にフロイドとの時間を作ることができるでしょうし、僕も僕でフロイドにも伝えたのだから一層努力しようという気にもなる。努力すればするだけ褒めてもらえるだろうという確信もあります。あのウツボは僕に甘いですからね。まさに一石二鳥!というわけだ。(本当に、「夜に睡眠時間をしっかりとる!」「過剰な無理はしすぎない!」なんて傍から見れば些細なことばかりなんですけどね。)
さて。新年早々ラウンジの売上も上々!フフ、皆さん景気がよく何よりですね。ひさしぶりのモストロ・ラウンジはいかがでしたか?またのご来店を心よりお待ちしています。…帳簿を眺めてにやつくのは程々に、今年はフロイドも書いているように一層彼らと楽しく過ごすことができる一年にしたいと思っています。お前たちには対価ではなく特別なご褒美を用意しておくことにしましょう。僕も愛していますよ、フロイド。
>耳の裏の痕はまだ消えていないようです。