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1407.telescope
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Dr./レ/イ/シ/オ (H/S/R)
2024/12/25(水) 20:37
寝起きに囁かれた言葉でクリスマスという日の存在をやっと自分事に感じたのだから、これはいくら浮ついた気配に憂鬱な時期とはいえ、少しばかりの失態だったかもしれない。昨日、それから今日は、彼曰くとても特別な日らしい。メリークリスマスなんて挨拶をまともに使った記憶は子供の頃にしか無く、後は浮かれた人間への嫌味に投げかける程度のものだった。それが今年は結局、あの男に引き摺られるようにして自分自身浮かれてしまっているから皮肉だ。彼に強請られるままプレゼントを買いに足を伸ばした先、案の定街には愚鈍が多く行き交っていたものだが、側から見れば僕だって目を覆いたくなる愚か者の一人だろう。――たった一言の軽口に予定を変更して、それを欠片も苦とは思っていない。大変頭の痛い現実だ。さて、孔雀のように派手好きの男は僕の選んだ品に納得してくれるのだろうか。答えは彼の帰宅を待つ他にない。
※惚気
聖夜を自分たちの為のものだと言ったギャンブラーはいつになく素直で、僕にも素直を求めてくるその態度さえいじらしいものだった。互いの温度を確かめて眠る夜は幸福だった。彼が眠りへ落ちるところを見守る夜は、他の何とも比べられないほどに心が凪いでいる。今もたびたび悪夢に魘される彼が穏やかに故郷の夢を見たというのなら、それは正しく、聖夜が彼に与えた祝福だろう。互いに過去の話を深く語ったわけではない、けれど、この日が家族との特別であった頃を二人懐かしむ朝は悪くないと思った。コーヒーの一杯さえ用意をさせてくれない彼の怠惰な寝起きも、まだしばらくは矯正しなくていい。まずは彼の、睡眠の習慣を整えることを第一とする。
[04:02] 僕からのプレゼントは彼の手に収まって、まるで意識していなかった彼からの贈り物まで受け取ってしまった。だというのに、眠るまでのほんの僅かな時間で上手く噛み合わなくなってしまうから自己嫌悪にも陥る。理性を手放すなら手放すで潔く彼を求めればいいものを、半端に潔癖の意識が顔を出して、それで彼を傷付けてしまえば意味が無い。明日はもう少しマシな心持ちで彼と向き合えるだろうか。これは直接も告げたが、眠っている君へ。おやすみ、良い夢を。
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