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1407.telescope
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13 :Dr./レ/イ/シ/オ (H/S/R)
2024/12/29(日) 12:27

ここの存在を彼に隠すつもりはなかったし、彼が偶然にでも見つけてしまうことがないのなら、そのうちいつかにはきちんと伝えるべきだとは考えていた。ただ僕の想定ではまだずっと先のことで、まさかあんなにもみっともなく中身を明かす羽目になるとは思いもしなかった。けれどあの夜は、いくら冷静に自分の心を整理しようとしても、彼に向けての言葉しか出てこなかったんだ。以前より繰り返しになるが、彼の知らないところで彼に向けての言葉を残したところで、それは無意味に消えて行くだけだろう。だから、この一冊を彼の枕元に押し付けた。それから彼がノートの存在に言及するまでの胸の内は、いっそ笑えるほどに自虐的なものだった。今となってはその理由にも説明がつく。面と向かって話すよりもずっと冷静に僕自身を書き出したこのノートを、彼に愛して欲しかったんだ。感情的なひと言ふた言で嫌われてしまうのは仕方がない。自分の間違いを誠実で正せないのなら、それは僕の罪悪だ。しかし、彼への思いに満ちた頭で捻り出した、公開の場に置いて問題無いとまで理性が判断したこの気持ちを拒絶されるのは、想像だけで恐ろしかった。

僕は、僕のことを誰がどう見ようと構わない。アホの言葉には頭が痛くなるばかりだし、バカの反駁に気を遣ってやる必要も無い。『真理』の共有に於いて、他者が僕へ向ける視線は一切の意味を持たない。
だから、誰かに嫌われたくないなどと思ったのは、いったいいつぶりのことだろう。僕の姿勢や狭量が誰かを傷付けると、そう思い至って息さえも出来ないような心地になったのは? ――彼の心にある空洞に、どうやら僕はぴったりとは嵌まらない。それでもあの男が言うように「愛」というのが注がれるものであるのなら、「愛」で以って満たすことは可能なのではないかと仮定したい。愛しているのだと、伝え続けたい。とびきりに甘えた、ふやけた声で僕の名前を呼ぶ彼に、僕の内側はすっかりと満たされきってしまっている。

2日分の感情を書き出すと、どうにも自分ごとばかりで冗長になってしまった。明日以降のページはもう少し手短に纏めるべきだ。

※私信(惚気)
眠りにすら悋気を起こしたかわいらしい君へ。目が覚めてもやはり腕の中に居る君を抱き締めて、一番にこうして呆れた文章を綴ってしまうくらいには、僕だって君が恋しくて仕方がない。君がどれだけ取り乱したとしても、それが例えば僕以外の誰かに害をなすものでない限り、殴ってやることはできないだろう。代わりに言葉を尽くそう。君の腕を引き留めよう。そしてその指先に温度が戻るまで、その手に触れていたい。だから君の手で、僕を選んでほしい。暴力的なやり方じゃなく、君自身の意思で、側に帰ってきてくれ。

[19:15] いつもとは反対に、あの彼が僕の為に安眠の方法を提案してくるのだから、なんだかとても愉快な気持ちになってしまってたまらない。そもそも僕は概ね問題無く睡眠を取っているのだが、それでもあのギャンブラーが生活の質というものを整えるべきだと思っていること、僕に与えようとしていることには気分が良い。彼がペンを走らせたページを繰り返し眺め見て、つい唇の端が緩むのと同じように。

[01:17] 稀ではあるだろうが文字数制限が煩わしいので外部CSSを導入した。彼の書いたページはそのままにしておく。きちんとインクを選んだくせに僕の書きこんだ体裁に阻まれて、それでも君と同じ色で書き込めて嬉しいだとか言うのだから、その記憶ごと残しておきたくなってしまった。先の追記では言葉を省略したが、僕の心を妙に喜びで騒めかせるのは、互いに影響を与えようとしていること、だ。人間は思考することで己の輪郭を確立する。思考とは人間を人間たらしめるものであり、我々が個人として生きていくに必要不可欠な行いである。その根幹的な部分で、僕は彼に干渉してる。僕の思考はとっくに、彼と寄り添う為のものとなっている。


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