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1407.telescope
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Dr./レ/イ/シ/オ (H/S/R)
2025/01/06(月) 01:47
彼の抱負に呆れ、そしてまるで変わりなく愚鈍の根絶のみを目標に掲げようとしていた僕だが、こうなると短期目標として『堪え性を身に付ける』を追加するべきだ。
※
詳細は伏せるが、今回も、成人指定が必要な内容ではない。
帰宅にあの男の出迎えがあったものだから、――いや、きっとそれよりもずっと以前から焦がれていたようで、その身体を抱き締めた途端に彼の温度や手触りすべてが恋しくて堪らなくなった。数日前、荒事に傷を負って帰ってきたばかりである彼を、躊躇いなくきつく抱き締めてしまった。
怪我のため入浴を禁じられているとはいえ、許されるだけを清めた身体は傍目には普段とそう変わらない。それなのに、深く鼻先を寄せればその香りはいつもよりずっと濃かった。彼の匂いが鼻腔を満たす幸福に唾液が滲んで、己が獣になったような錯覚までもしたし、実際あのときの自分は好き勝手に彼の縄張りを踏み荒らす獣未満の生き物だった。衝動のままに噛んで、摩って、嚥下して、そして許される喜びに肌が粟立つのだから支配欲とは厄介なものだ。
これ以上はしない、と僅かばかりの正気に踏みとどまったそのときには、キッチンでスープはとっくに冷め切っていた。僕が玄関の扉を開ける前、彼が用意をしていたはずのものだった。
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