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1407.telescope
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30 :
Dr./レ/イ/シ/オ (H/S/R)
2025/01/28(火) 00:16
しっかりと0時に確保されているページを捲るのも惜しい気持ちにはなるが、僕も書こうとしていた文章をその通りに残しておく。
それ以外にどうしようもない気持ちで彼にこの日記を押し付けた夜から、あと2システム時間足らずでちょうど1ヶ月が経つ。思考の整理だなんだと理由をつけてペンを手にした日からは1ヶ月と10日に11システム時間ほどだ。ほんの半月さえも、僕はあの男に秘密を抱えてはいられなかった。あのとき思考から洗い流さねばならないと苦慮した愚鈍は形を変えて、今ではすっかりと胸の内側に根を張っている感覚がある。頭に残る澱であれば知識や経験により濯ぐことのできるものだが、心臓でも肺でもなく、心と呼ぶ他のないそこに積もっていくこれを、己の肉体から引き剥がす術を僕は未だ知らない。更にを言うならば、心に生まれる「感情」あるいは「気持ち」に優劣をつけることを、僕は好まない。唯一の尺度によって測られるものは、姿勢や態度、そういった「外側」のみだ。根付いたものが真実僕の変え難い本心であるのなら、これがどれだけ重くのしかかろうと、抱え続けていかねばならないものなのだろう。僕の選ぶ生き方とは、一切関係無く。
――しかし、感情はともすれば「外側」に侵食して、人間をマヌケな行いに走らせる。そればかりは自分自身許し難く、ペンを走らせるべく浮かべた一言にさえ愚鈍の気配を探っては頭の中で打ち消してばかりだ。
このところ感情よりも理屈を書き連ねるページを増やしている理由もまた、繰り返しだが、己に対しての自戒に他ならない。彼のことを書こうとすれば思考の緩みきった言葉しか浮かばず、自分ごとを書こうとすればいっそ舌を噛み切りたいほどのアホさに頭を抱える。無理矢理に覆い被さり跨ろうとする強引さえも懸命に見えて愛おしく、眠りの淵に差し出された満点の響きなんて、まるで正答を褒められたばかりの子供のように手放せずにいる。
あの男は僕だけの、眩い恒星だ。あの男の見目に、振る舞いに、センセーショナルな肩書きに目を灼かれる者は数多い。その輝きが燃え尽きる際のほんの僅かなまたたきであれと、星の凋落を願う者もまた同様に。けれど彼の内側で燃え盛る熱を知っているのも、それを肉体越しに感じることができるのも僕だけだ。あの男は決してその光で破滅を誘いはしないし、その源が彼の内側に秘められている限り、誰に輝きを奪われることもない。僕にさえも、損なわれないでほしい。
[01:02] 普段僕の手では元の場所に戻すばかりのこのノートが、書架の一番上に置かれているだけで嬉しい。
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