Furina　
　いつも覚えてるってわけではなくて、それに関連した何かを見つけた時、ふとした瞬間に思い出す懐かしいものって、結構あると思うんだ。小さな頃、よく見ていた歌劇とか。そこに登場した曲だったり、ダンス。でも、完全に覚えてるっていうわけではなくて、ワンフレーズ、あるいはワンシーンだけがずーっと頭に残っている感じ。まさにさっき、そういうことがあったから書いているんだけど……一度気になると、正解を見つけるまで止まらないんだ。ついさっきまでの僕は、過去のレコードを漁りまくるモンスターそのものだったよ。え？お目当ては見つかったのか、って？もちろんだとも！ちゃんと見つけて、知らなかった題名も覚えた。いやあ、やっぱり何年経っても印象に残っているだけあって、改めて聴いてもいい曲だったよ。……ああ、曲といえばなんだけど。つい最近、というか結構前から……お互いの好きな曲を教え合うようになったんだ、リオセスリとね！しかも、先に教えてくれたのは彼からでさ！それがすっごく嬉しかったんだ。おまけに、いつも教えてくれるのは僕が提示したものと似た系統の曲でね。それがまるでアンサーのようで、一種の楽しみでもある。───おや？なになに、なにか進展は無いのかって？あははっ！……な、何も無いに決まってるだろ！？

おもうこと

　僕とリオセスリは、あくまでもお友達。それは理解してるつもりだし、弁えても〜…いる、はず？彼は博愛主義で、人を平等に愛せる人だ。僕もそれはよーく知ってるし、それを知った上で、彼に片想いをしていた。ただ、まさに今の状況。再会をして、正体を明かして、引き止められて、そのままふたりきり。ふたりきりになってからというもの、もお〜〜毎日のように可愛がられるんだ！いや、嬉しいよ？可愛いとも、かっこいいとも言ってくれる。「俺はあんたの事が好きだから、ついついお願いを聞きたくなっちまうってだけだよ。」なんて言葉も、さらっと言われた。僕の中の１番は紛れもなくキミだと伝えた時、俺にとってもフリーナ様は一番なのでって返してくれた。僕たち、それはそれは恥ずかしげもなく、平気で気持ちを伝えあっているんだ。けど、だからこそ、きっと何も意識されてないんだろうなあって思うことが多くて。……僕はさ？超〜〜勇気をだして、結構思い切って言ってるんだ。１番とか、すきとか、そんなの簡単に言えたものじゃないだろ！？でも彼は、きっとそこまで…動揺なんてしてない。僕が片想いしてるなんてつゆ知らず、きっと、お友達として受け取っているんだと思う。じゃあ、もっとハッキリ伝えればいいだろって思われるかもしれないんだが……もしも、僕の恋愛感情が伝わったとして。彼がそれを受け入れてくれるとは限らないし、最悪、そのまま距離を置かれる可能性だってある。だから、言えないんだ……伝わって欲しい気持ちはあっても、明言した瞬間、すべてが終わってしまうかもしれないから。まあ、つまり。僕はこれからも、きっと片想いのままなんだろう。そして僕は、それでいいって心から思ってる。