第二部隊で前線に復帰するようになってから全く記していなかった。危ない。夜戦部隊と並行して任務に出ていると目が回ってくる。
伽羅といるようになって、明日でおそらく一年と五ヶ月ほどになる……んだが、それなりに共にいるのに、伽羅から貰うものが日に日に大きくなってしかも隙間なく与えようとしてくる。俺は受け取るのが下手だから、結構な頻度で待てをするんだが、それが伽羅にとって淋しさを感じるものになっていないか心配だ。心配しても待ては掛けるんだが。
本丸ではそこまで話さないくせに俺の前だと圧倒的に口数が多くなるし、与えたがりだしストレートに好意を伝えてくるし、頻度も凄まじい。必然的に口を閉じさせたくなるのはもうなんというか、仕方ないと思ってほしい。布に籠らないだけマシだ。俺は確かに傑作だがどうせ写しなんだからあんたみたいな真っ直ぐで優しい好意に釣り合わない。
────というのは建前で…………、…………恥ずかしいから本当にある程度抑えてくれ。顔が熱くなる。
腹いっぱいだ。俺は大食漢個体じゃない。好きなものをゆっくり食べていたい性質なんだ。
…………せめてじっくり味合わせてくれ。
◆◇
昔の伽羅と変わったな、と思っていたが、そうでもない気がしてきた。伽羅は元からこういう個体だったかもしれない。あまり滲ませなかっただけで、触れたがりだったし口数は多かった。
変わったのは俺の方なんだろうな。
少しも自信がなくて、少しも信用出来なくて、不安症の怯え症だった。
昔は伽羅からの好意も与えられる優しさも、全部俺を安心させるために無理して伝えているものだろう、俺が怯えるから俺に合わせているだけだろう、とずっと思っていた。本当に好かれている自信なんてなかった。
今なんかどうだ。あんたのお陰で俺は随分変わってしまったぞ。
そんなに沢山連ねなくても、あんたが俺を好きで好きで仕方ないことなんて全部知っている。
ごうまんちきくにひろと呼んでくれ。腹いっぱいだ。
ぶくぶくだぞ。どうするんだ。
責任を取って傍にいるんだな。
でも加減はするように。ぶくぶくのぶくぶくになるので。
……ごうまんちきくにひろも、ぶくぶくぶくぶくしているあんたも、……俺は大好きだ。俺がいやなんだ!!!でも俺もあんたが好きだ!!!!!!