……あんたが紡いでくれる、あんたの事に、……触れられるのが、俺は好きだ。
◆◇
……俺は、此処へ、……今日もあんたが好きだ、といった、気持ちや雰囲気的な綴り方をしがちだ。
本来、姿遊びも含めた、惚気ける場、の認識が強いからかもしれない。
……惚気け方は、未だ勉強中ではあるがな。
本来の日記としては、日々の事を綴っていくべきなのだろう。
……。
……二日坊主には、箇条書きになる残念な未来しか見えない。
某夕方の物語のように、三本立ての。
……そしてその一つは毎回、あんたへの想いが載るだろう。
……毎日、愛らしいあんたが、大好きだ。
一方で、あんたは己の近況に、想いを混じえて記してくれる。
……眠れない夜、……非番の日中、……最近、共にどう過ごしたか、といった事に触れながら、残してくれるそれは、俺にとって嬉しいものでしかない。
先の日に伝えたよう、……いい事も、……悪い事も。
当然に、いい事ばかりではないだろう。
人の身の不調、と同じよう、またはそれと連動するよう、人のこころには、波があるのだから。
加え、あんたの恋刀は酷く残念な事に、完璧ではない。
寧ろ、欠点ややらかしの多い刀だ。
寝落ちの常習である事は言うまでもなく、言葉選びや纏め方が下手という意味で口下手で、余計も多い。
不安どころか、不快にさせる事も多々。
……それでも、申し訳のない事に、……あんたを手放す気も、離れる気もない。
最善を尽くそうとしてのやらかす日々なのだから、自身、目もあてられないがな。
だからこそ、……例え、察しの悪い俺でも。
……あんたの記し綴ってくれるそれらは、……俺にとって、あんたに触れられる、歩み寄る為に考える事が出来る、嬉しいものだ。
「悪い事を聞いたら嫌な気持ちになるだろう」
「喧嘩や怒られたりはつらいだろう」そう気遣ってくれた、優しいあんただからこそ、……一振りで抱え込んだり、溜め込んだりしてほしくない。
それらは、互いに向き合おうとした時、向き合えた時に生じるものだ。
俺は、……少しでもあんたの事が知れたら、嬉しい。
あんたの贈ってくれるそれは、……あんたが示してくれる、あんたへの道標、でもあるからな。
内容問わず、それによって手招かれているような、……傍へと呼んでくれているような、……あんた自身の想いが載った、優しいものだ。
だから、悪い事であっても、……遠慮はいらない。
互いゆっくりと、……想いを載せた、言葉を綴ろう。
……日々少しでも、……あんたのしあわせが、増えますよう。
……大好きだ、国広。
少しずつ、……記していく予定、……だった頁。【完】