※R18
全身ががくがくしている。少しも力が入らない。
恥ずかしいことをした自覚はある……自覚があるが喜ばれるとなんだかもっと恥ずかしい。今更凄まじく恥ずかしくなってきた。もうぜんぶ伽羅のせいだ。あんたのせいでどんどんおかしくなっていく。
体調不良のくせにもっと負荷をかけることを自分でしてどうするのか。次から閨の後は絶対伽羅にぜんぶ介抱してもらう……ぜっっっったいしてもらう。下腹が重い。一歩も動けない……。
……丁重に、介抱してやろう。
……。……途中、……また手が出るかもしれないが。
◆◇
花火大会は逃したけれど、そんなものは時間遡行でどうにでもなるからまた次の機会に。どうせ残暑はまだまだ厳しい。暑い内は夏だと言っていいだろう。
今年の夏は暑さが辛かった。過ぎるのが寂しくて堪らなくなる季節だと思っていたが、今は秋、に想いを馳せる。どんな秋にしようか。俺は、あんたとなら何でもいい。
あと見目麗しいとか言うな。
……いや、あんたこそ、堂々と時間遡行などと言うな。
初期刀だろう。
それに、
……あとで、しっかりと鏡を見せてやる。◆◇
名前を呼ぶと、
「ん?」と優しい声音で、目を細めて覗き込みながら返してくれるのが、好きで堪らない。