恋仲になって一年を迎えた！
眠いから確保する（ごろん）

……朝から、先程まで、……正確には、それより前もずっと、ではあるが。
…………国広が、終始愛らしすぎて、……昨日もしあわせな一日だった。

……国広の言う「我儘」は、……残念ながら、俺にとって我儘認定出来ないものが多い。
大体が、俺がやりたい事、やると決めていた事と被る上、……それを恋仲の相手にねだるのは、普通……寧ろ当然の事だろう？と思える内容ばかりだからだ。
都度、頑張って考えてくれるのに申し訳ないが、……一生懸命捻り出す様子も愛らしいから、これからも是非、頑張ってほしい。

……また、我儘未満を一つ、それは我儘でなく、愛らしいおねだりだ、と俺が告げてから。
……その後時を開けて、何かしらを願う際、……ねだっているのだ、と口にし始めたあんたに、……愛らしい……と。
俺が愛おしさにやられていた事を、あんたは知らないだろうな。

一昨日に、……事はあったが。
……それも、……それだけ、俺を望んで、求めて、……想ってくれている、という事だから。

……拗ねたあんたも、……笑うあんたも、
……あんたの総てが、…………愛おしい。

……筆を執り、こうして俺がしたためるのは遅くなったが。
一頁前が記されたその日に、あんたの言葉を見つけて、……また一つと、愛しさを覚えた。
よく、自分に甘いだの何だのと言われるが、……例え些細な事だろうと、その行動も存在も、愛らしいと思うのだから……仕方がないだろう。

俺の恋刀は、今日も愛らしい。

……大抵、俺が先に寝落ちてしまう日々だが、……巣篭もりと表して二振りで寝床に篭もった後、昨夜はあんたが寝入るまで傍で見守っていられて、……嬉しかった。
ただ、貞達との外事で帰城が遅くなってしまい、それまでに長くと待たせてしまったのは、……本当に申し訳なかった。

一振りで待つ時間は、極力減らしたい。
…………あんたは、淋しがり屋な刀だからな。
多くと、こころが揺れ乱れてしまわぬよう、……傍にいられる時は、傍にいる。
互いのぬくもりを感じていられるよう、……抱き締めている。

……今はそうして、寝顔を愛でている最中だ。
無意識に時折くっついてくるところも、寝起きの寝惚け具合も、……総てが愛おしい。
いつも、淋しさや恋しさを堪え抱えて、俺を待っていてくれるあんたに、……感謝と想いを。


……今日も、あんたを愛している。
……大好きだ、国広。

ひとまず拵えてはいたが、色々と重なって筆を執るのがすっかり遅くなってしまったな。真新しい帳面に記す緊張感……少しだけ背がしゃ、とする感覚。新しい場でも、憶えのある本がちらほらとあって少し安心感を覚えた。これから改めて、俺たちのペースでゆっくり穏やかに日々を綴っていたい。
写しには不似合いかもしれないが……とでも言っておくか？……なんてな。どうか、よろしく頼む。


……更に遅くなったが、初め書きの挨拶にと、この頁に筆を添えさせてもらう。新しい日記を、と話をして、国広がすぐさま拵えてくれたというに、……気付けばこうして日が過ぎていた。……過ぎた時間を無為に過ごした憶えは、……あまりないが、月日が過ぎるのはあっという間だとの実感を、言い訳めいて覚えている。

……あいつの背が、愛らしく……少しだけしゃ、とした風に筆を執る様を、微笑ましく想像しながら。また此処に、互いゆっくりと想いや記録を綴っていこうと思う。
……。……断るまでもないだろうが、大体惚気るからな。自衛は、各自に一任しておく。……此処までの閲覧に礼を。……興味のある者だけ、これからも読んでいくといい。