ついき

立花の伴をして土佐に行った事、あいたぁにバレちょった。
ここ見てくれちょったんじゃな。……ヒヒッ、この書付けの在り処を教えちょいてこがな事言うのもおかしな話じゃけど、あいたぁ普段忙しそうにしちゅうきにこっちゃにまでは手が回っちょらんのやないかち思うちょったがよ。

…ふひ。ウヒヒ。
どういても顔が緩んでしまいゆう。

こがな顔したまんま会いに行ったら、何をニンつきゆうかと不思議がられてしまうのう。ほじゃけど龍馬、わしはしょうげに嬉しかったがよ。お竜と三人、またわしらで土佐に行こうちゆう話もほうじゃけど、郷里の話をおまんと出来ゆうがはしょうげに楽しいし嬉しいてならんちや。おまんと行く土佐の地もおまんらと見ゆう土佐の海も、わしには特別なもんじゃきに。

果心居士！果心居士だよ！！っちゅうてキャッキャしちょった立花の目ぇが、箱イベじゃと気付いた瞬間血走ったのをわしは今でも忘れんちや。

目標300箱

いやいやいや、無理じゃろ。無理ぜよ。300らぁて気でも違うた数、わしらまだ踏破出来ちゃあせざったろう？

今まで出来ざった事が今出来ゆう筈無いちや。素材はこの上無く美味いけど！美味いけんど！！騎士勲章らぁて円卓も、十二勇士も、妖精騎士の連中までムッシャムシャと際限無く食いゆうきのう…。たるばぁ有っても足りんちや。

ほれにしてもこないだカルデアに来たばっかりのキノコ女が何ぞ言うちょったのう…。風雲イリヤ城ならぬ風雲たけ………、…んん？「それ以上はいけない」？何言うちゅうがじゃ龍馬。

あがなんを魂の慟哭とでもいうんじゃろうか…。恋しいて恋しいてならん相手に宛てた言の葉の一端を垣間見てしもうた。

あいたぁの傍らはこの先一生お竜とわしのもんで、わしが進んでこの場所を明け渡すじゃとか、わしの前からあいたぁが消え失せるじゃとかは絶対に有り得んし許さんち思うちょるけんど、……どうしようもなく、どがぁにもならん事情で離れんとならんちなったら…、……その時はきっとあいたぁを困らせん様にしちゃりたいち思うちょった。

……今の今までは。

到底無理な相談ちや。
そうする事があいたぁの為じゃち解っちょっても、そがに聞き分け良うえい子で離れちゃるなんぞ出来る訳が無い。
あいたぁに愛想尽かされても、百年の恋も冷める程幻滅されてでも、みっともなく泣き喚いて、責めて、駄々を捏ねて…あいたぁを困らせ倒してでもしがみついてしまいゆうに決まっちゅう…。
どういて離れるらぁて出来ようか…。そがなおとろしい事、わしには到底無理ちや。

カルデアのマスターっちゅうがはどこも皆忙しゅう立ち働いちゅうみたいで心配が尽きん。ほりゃあわしらが生きちょった頃の勤王党と比べても、話にならん程カルデアの方が規模も多きゅうて籍を置いちゅう者の数も段違いじゃき、あの頃の武市以上に、その何倍も忙しゅうしちょって当然ながじゃけど……今日位はゆっくりと、年に見合うた遊びでもしてのんびり過ごして欲しいち思いゆう。

立花と相談して用意したがはよう効く胃薬。
わしからも何ぞ贈ってやれたらえかったんじゃけど、生憎ちくと前に有り金使い果たしてしもうたき野辺の花でも摘んで行く位しか出来そうに無いちや。…何ぞえいもんでも無いか、あいたぁに聞いてみゆうんもえいかも知れんのう。

何はともあれ立香、これからもわしんくのマスター共々宜しゅうお頼申します。