生存確認。

　特例的に前回の確保を保留で先に近況報告を。
　ここ数週間ほど体調不良で寝込んだり諸々のタイミングが悪かったり相変わらずの早寝だったりでまとまった文章を書く暇も気力もない状態だったんだが、良い加減筆を握らねえ事には書き方も忘れちまいそうなんで走り書きになるが書き留めておこうと思う。

　前回の確保ページと私信はヴィルの書いたやつに追記するつもりだ。スペースが残っていれば。もし字数制限に引っかかるようならまた考える。これらは追記したタイミングで新しいページで触れることとする。先だって日記満了への祝いの言葉には感謝するとだけ返しておくぜ。


>>バレンタインのあれこれについて。

　夜、日付が変わってそろそろ寝るかって頃合いでアイツがへこんでいるのに気が付いた。その直前俺が少し情けないところを見せたとへこんでいたからそのせいかとばかり思っていたらどうやら用意していたチョコを渡せずじまいだったと落ち込んでいたらしい。
　数日前からばたばたといろんなことがあって、いやそれ以前に数日寝込んでいたせいですっかり日付の感覚ってものを失っていて完全に忘れていた。なんならこれを書いている今(2/19)も未だに2月上旬の感覚でいる。もうすぐ3月に入るだって……時空歪んでねえか……？？

　違え、そんなことはどうでもいい。
　バレンタインデー。そうだ、去年は花を用意した。今年は完全に忘れていた。なんつう失態だ。

　とりあえず日付が変わってしまった事にへこんでいる奴を宥めすかして今からもらうから部屋に来いよと呼びつけてすぐに俺の方が部屋を飛び出して購買に向かった。
　今からアイツに似合う何かを見繕う時間はねえ。深夜に呼び付けたにも関わらず普段通りの装いでニコニコと接客をするサムには見透かされているようで口を開く前に「もちろんIN STOCK！」と宣いやがる。話が早いのは助かるが。

　そうこうして部屋に戻って、一息つくのと同じくしてしょぼくれた声が名前を呼ぶのが聞こえた。
　間に合ったことに安堵するのを悟らせないよう何食わぬ顔をして迎えると、どこぞのブランド物らしい上品な小箱を渡された。軽い揶揄を向けるとしょげていた顔に赤身が差して、刺すような視線を感じたがすぐに逸らされる。何か不服そうにごにょごにょと言っていたがしょげているよりよっぽどマシだ。「食わせてくれるんだろ？」と突き返すと溜息で返されたが、箱を開ける前から漂っていた仄かな洋酒の香りがヴィルの手で蓋を開かれしっかりとしたカカオの香りを纏って強くなった。行儀良く並べられた四角いチョコレートにピックの先端が吸い込まれて、鼻先まで差し出される。一口で口に含むと鼻で感じた以上に濃いカカオの苦味とアルコール特有の香りが広がって、なるほどヤツの目にかなうだけのことはあると感心した。

　その後のことは字数もあって割愛するが普段ならものを食べるってだけで信じられないなんて顔をする真夜中に「もう一つ、一緒に食べて」とねだるのを見れただけでも最高のイベントだったぜ。……どうにか用意した花も無事に渡せたことだしな。別に何も用意してなくたってアイツは何も言わねえだろうとは思うがそこは男の矜持ってもんだ。まあ来年はもう少し考えておく。覚えてたらな。
　アタシに差し出してきたときはあんなに涼しい顔をしていたのに、そんなに慌てて用意したものだったの？　アレ。ふふ……案外マメな男よね、アンタ。プライドが高いって言い換えても良いけれど。あと、結構ロマンチスト。……素敵で熱烈な贈り物をありがとう、レオナ。