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　確保。アンタと過ごせるならどんな夜も大切な思い出よね、って話。


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　冬にしては暖かい夜。風も無く、静かなバルコニー。アンタと二人で過ごす場所としては、この上ない好条件だった。ただひとつ、夜空の殆ど半分を覆う雲を除いては。

　薄い雲が掛かったりそれが流れて晴れたり……不規則に見え隠れする夜空は、流星を観測する条件として決して良い条件ではなかったわ。実際、アタシはいくつか観測できたけれどアンタは結構苦戦していたでしょ。……でも、とても楽しかった。同じ流星を見つけられなくても、ただアンタがアタシの側に居て一緒に夜空を見上げるだけで幸せだった。結局、アタシにとっての一番はアンタなのよね。アンタが居るから、アンタと居るから、どんな記憶もアタシの宝物になる。美しい朝も、穏やかな夕暮れも、酷く凍える夜だってそう。アンタはアタシの毎日を煌めかせてくれる、世界で一番の魔法士よ。
　……いつもありがとう。愛してる。

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　……アンタを待つ間に近況の事でも書こうかと思って取ったページなんだけど、アンタが珍しく体調を崩してダウンしているから心配でそれどころじゃなくなってしまった。どうにか眠りにはつけたみたいで少し安心したけれど、これ以上悪化しないように祈って見守ることしかできない。……せめてアンタが心細くないよう、アンタの側で眠るわ。何かあったらすぐ言いなさい。


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　昨日よりは良い顔色。ほっとしたわ、今日はなるべく大人しくしているのよ。

>> 42ヶ月記念｡

　ねえ、もう３年と半年ですって。本当に、随分長いこと側に居るわね……ちょっと改めて考えてびっくりしちゃった。もっとびっくりなのはアタシの慣れなささかもしれないけれど。ちょっと自分でもどうかとは思うんだけど、いまだにキスが慣れない。今まで数え切れないくらいキスもセックスもしてきたはずなのに、まだ慣れないの。前もこんなこと言った気がする。
　……アタシだってね、本当はドラマの中の仲睦まじい夫婦のように軽い挨拶でキスをして、余裕の笑みを浮かべたいのよ。でも……だって、アタシの大好きなアンタの顔が近くにあって……唇が柔らかくて……それに、食べるみたいに噛んだり舐めたり、アンタ、好き勝手するんだもの。

　──いえ、少し、嘘を吐いたわ。本当は、ただ触れるだけのキスでもだめなの。アンタとキスしてるって気持ちだけで心臓が暴れ回るみたいに跳ねて、恥ずかしいのか嬉しいのか分からないくらい頭の中がぐちゃぐちゃになってしまう。自覚出来るほど顔が熱くなって、言葉が詰まって、何故か分からないけど泣きそうになる。こんなんじゃアンタに笑われちゃうわ……一番不思議なのは、この症状が年々酷くなってることよ。初めの頃の方が今よりスマートに対応出来ていた気がするわ。…………多分。
　キスをすればするほどおかしくなってしまうなんて知らなかった、対処法が知りたい。アンタだって、キスする度に泣かれそうになるのは嫌でしょ？　ねえ、アンタはどうなの？　アタシとキスするとき、何を考えてるの？
　そんなもん、間近で見るお前の顔が整ってんなあとか、あっという間に赤く染まっていく肌が綺麗だなとか、かわいいとか愛しいとか、……そういう諸々だ。……ああ、たっぷりキスした後のとろとろになった顔にはエロいなとも思ってるぜ。
　……色々言いたい事はあるけれど、アンタも愛しいって思ってくれているのね。ふうん……まあ、その言葉に免じて小言は飲み込んであげるわ、感謝なさい。……愛しい、ですって。ふふ。


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　折角だからなにかバトンに答えようと思ってたんだけど、流石にページが足りないかもしれない。また今度にするわ、その分アンタへの愛情を込めるから待っててちょうだい。

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　ダメよって言うアタシに獲物を見るような目を向けて、とびっきりセクシーな声でアタシを呼んで──そのまま寝落ちたアンタなんて、野暮ったいおさげの刑よ。解けないようにきっちり魔法で固定してやるんだから。明日が休日で良かったわね。